不動産投資にまつわる税務は、多少の会計や簿記の知識があれば自分だけでもこなせるのではないかと考える方もいます。しかし実際に物件を持つと、専門家の手を借りないとわからないこと、損をすることが数多く出てきます。不動産投資において税理士が必要な理由、そして税理士の探し方、選び方について解説します。
不動産投資における税理士の必要性
不動産投資で重要なのは、最終的に手元にいくら現金が残るかということ、つまりキャッシュフローです。収益物件を購入して最大限高く売却できたとしても、税金が予想以上にかかって最終的な手残りが少なくなってしまったのでは意味がありません。
物件を売却したときの税金は、売却金額から簿価を控除し、さらに売却に要した費用を控除した利益に対して課せられます。簿価とは取得価格から毎年、建物と設備の部分を減価償却していった残額のことです。
また、売却に要した費用とは、仲介手数料や売買契約書に貼付する印紙代などです。課税の際の税率は取引主体が法人か個人か、保有期間がどれくらいかによって決まります。
こうした不動産に関わる財務は複雑で、専門的かつ細部にまで及ぶ知識が要求されます。しかも扱う金額が大きく、もしも減価償却にまつわる建物価格や設備価格といった初期設定などを間違えると、取り返しのつかない損失に繋がることもあります。
そのため、たとえ多少のコストが生じたとしても、税理士と顧問契約を結ぶことは必須と考えましょう。不動産投資においては、そこで発生する取引にまつわる税務について専門家による全面的なバックアップを要請する必要があります。
不動産投資において税理士にはどのような場面で活躍してもらうか
税理士に活躍してもらう場面は、上で挙げた所有物件の売却時の他、確定申告、相続対策、消費税還付と多岐にわたります。
顧問契約を結べば、個別の案件だけでなく、日頃から税務や会計について相談できるようになります。
たとえば節税全般に関する知識、融資を受ける際に知っておくべきテクニック、試算表の作成依頼、あるいは法人化についてのアドバイスなども得られるはずです。何より、小さなことでも心配事があったときに相談できる専門家がそばにいるというのは、心理的に心強いものです。
不動産投資における税理士の選び方
しかし、税理士であれば誰でも不動産投資の税理を任せられるというわけではありません。通常の税務ももちろんですが、不動産投資に理解があり、不動産独特の税務に精通した税理士を選ぶことが重要になってきます。
オーナー社長などの場合は、自分の会社の顧問税理士に相談するという方もいますが、不動産に不慣れなようであれば、収益物件活用については専門の税理士に依頼するのがベターな方法です。これまでのキャリアや実績をしっかりと見定めた上で、パートナーとなる税理士を選びましょう。
税理士の探し方
ではそのような税理士はどうやって探せば良いのでしょうか。税理士紹介サイトや不動産投資仲間に聞くといった方法も考えられますが、確実なのは不動産会社から紹介してもらうことです。
不動産投資を扱う信頼できる不動産会社であれば、あなたの投資の内容や方向性、ときには性格もわかった上で、最適な税理士を選んでくれるでしょう。
まず、不動産会社の担当者に相談してみるのが近道です。税務に関してどのような相談をしたいかを伝えて、税理士とのマッチングを依頼してみましょう。
不動産投資において、手残りを最大化するためには税金のコントロールが必須です。このことを前提として、不動産に詳しい頼れる税理士を探してください。
