【事例付き】アパートの内装リフォーム|投資で考える収益最大化の戦略

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アパートの内装リフォームは、やり方次第で物件の収益が上がりもすれば、下がりもします。

つまり内装リフォームは、単なる「出費(コスト)」ではありません。リターンを生む「投資」として、いかに効果を高めていくかを考えるべきものです。

そして今、その判断軸は明確に変わりつつあります。コロナ禍を境に、在宅時間が増えました。入居者様が部屋の広さ・設備・住み心地に求める基準は、確実に上がっています。一方で、建築資材や設備の価格は高騰を続けています。「ただ安く直して家賃を維持する(あるいは下げる)」だけの原状回復では、インフレに追いつけません。実質的な手残りは、目減りしていく一方です。

だからこそ、これからの賃貸経営の主役は「バリューアップ工事」です。物件の隠れたポテンシャルを引き出し、家賃を積極的に上げていく(増賃)工事を指します。相場より高い家賃でも、属性の良い入居者が次々と決まっていきます。
立地や築年数、出口戦略などの条件によっては、原状回復にとどめた方が合理的なケースもあります。

この記事では、内装リフォームを「投資」として捉える考え方を解説します。収益最大化の本命であるバリューアップ工事の具体策と投資効果を中心に、最後に原状回復が向くケースも整理します。ご自身の物件で次の一手をどう打つべきか、その判断材料としてご活用ください。


1.アパートの内装リフォームは「コスト」ではなく「投資」である

内装リフォームを考えるとき、まず持つべき視点があります。「いくらかかるか」ではなく「いくら増やせるか」という、投資の視点です。

退去後の部屋や長期空室の部屋を、再び貸し出せる状態に商品化する。この工事には、当然お金がかかります。しかし同じお金を投じるなら、その先のリターンを最大化できるかどうかで判断すべきです。具体的には、次の3つです。

1.満室稼働の実現:物件のポテンシャルを引き出し、入居者から選ばれる部屋をつくる。
2.空室期間の最小化:機会損失を抑え、キャッシュフローの悪化を防ぐ。
3.賃料の引き上げ(増賃):投資である以上、家賃を上げて収益性そのものを高める。

ここで重要なのが、3つ目の「賃料の引き上げ(増賃)」です。原状回復は収益を守る工事にすぎず、収益を増やすことはできません。

収益を増やせるのは、家賃アップを前提に手を入れるバリューアップ工事だけです。実際に投資としてバリューアップ工事を行うと、投じた費用に対して年率10〜14%超の利回りが期待できます。これは他の金融商品を大きく上回る水準です。

※具体的な事例と数字は、4章・5章で詳しく紹介します

いま「増やす投資」が有利な3つの理由

なぜ今、原状回復ではなくバリューアップなのか。背景には、賃貸経営を取り巻く3つの環境変化があります。

1.物価高(インフレ):モノやサービスの価格は上がり続けています。家賃を据え置けば、実質的な収益はインフレに食われて目減りします。
2.金利の上昇:金利が上がる局面では、借入コストが増えます。これを吸収するには、家賃収入そのものを増やす発想が欠かせません。
3.材料費・建築費の高騰:資材や設備の価格が上がり、原状回復でも工事費は年々上昇しています。同じ費用をかけるなら、家賃アップにつながる投資へ振り向ける方が合理的です。

この3つの逆風の中で収益を守り、さらに伸ばす。その最も確実な一手が、家賃を能動的に引き上げるバリューアップ工事です。


2.内装工事はバリューアップと原状回復の2種類 収益を最大化するのはバリューアップ

内装工事は、その目的によって大きく2種類に分けられます。結論から言うと、投資効果を最大化できるのはバリューアップ工事です。原状回復は「収益を守る」工事、バリューアップは「収益を増やす」工事です。この違いを押さえることが、判断の出発点になります。

バリューアップ工事(収益を増やす)

壁や床の全面貼り替えはもちろん、建具・キッチン・ユニットバスといった設備も刷新します。限りなく新築に近い、あるいは新築以上の付加価値をつける工事です。間取り変更も含め、ターゲット層の刷新と賃料アップを明確な目的とします。

メリット:大幅な増賃が見込め、属性の高い入居者の獲得や長期入居に繋がる。物件そのものの資産価値(売却価格)も向上する。
デメリット:初期投資が大きく、工事期間が長いため、その間の機会損失が発生しやすい。

家賃を能動的に引き上げられるバリューアップは、これからの賃貸経営の本命です。具体的な手法と投資効果は、後の章で詳しく解説します。

原状回復工事

原状回復工事とは、退去時の状態を復旧する工事です。次の入居者が快適に暮らせる「必要最低限の部屋づくり」と「清潔感の担保」を行います。雨漏り・水漏れがなく、設備が正常に動作する。内見者や賃貸仲介会社の信頼を損ねない状態に戻すことが目的です。工事費用を安く抑え、早期に募集を再開できる点がメリットです。一方で大幅な家賃アップは見込めず、賃料帯や間取りによっては入居属性が下がる懸念もあります。

原状回復で十分なのはどんなケースか
原状回復は決して悪い選択肢ではありません。次のようなケースでは、無理にバリューアップせず原状回復にとどめる方が合理的です。

立地・賃貸需要が弱く、家賃を上げても入居が決まりにくいエリア:増賃の余地が小さく、投資回収が見込みにくい。
傷みが軽微で、工事費が家賃6ヶ月分以内に収まる:損益分岐の目安(下記)に収まるなら、原状回復でも十分に投資効率を確保できる。

逆に言えば、立地に賃貸需要があり、保有を続けて家賃アップの余地がある物件もあります。そうした物件なら、バリューアップを検討する価値が大きいということです。

※損益分岐の目安:賃貸業界では昔から「工事費用は家賃6ヶ月分以内」がセオリーとされてきました。平均入居年数が34年であることを踏まえた、回収の基準です。ただし昨今のインフレで工事費は上昇を続けており、家賃6ヶ月分以内に収めること自体が年々難しくなっています。この点も、増賃を伴うバリューアップへ舵を切るオーナー様が増えている理由の一つです。 


3.バリューアップが期待できる物件の条件

バリューアップは、どんな物件でも成功するわけではありません。立地と平米数から、コストパフォーマンスを見極める必要があります。

1.立地:駅や商業、文化施設などが近く良好な住宅エリアを形成している場所や車で30分圏内に賃貸仲介店舗が複数あるエリア、などが目安です。
2.ファミリータイプ:ファミリータイプの物件は供給が少ないため、単身の物件に比べて家賃を上げやすい傾向にあります。また、部屋の面積が広い分、設備の交換、間取り変更が柔軟にできるため、挑戦しやすい傾向にあります。
3.水回り設備に更新の余地がある:ブロックキッチン、独立洗面台なし、外洗濯機置場、3点ユニットなど、現状では集客が厳しい物件ほど、刷新したときの効果が絶大です。


4.賃料アップを叶える「バリューアップ工事」の具体策

ここで紹介する具体策は、いずれも当社で実際に成果が出た代表的な手法です。

4.1. 具体策①:2DK 1LDKへの間取り・動線変更

一昔前の2DKには、よくある弱点があります。ダイニングにエアコンが設置できず、リビングとキッチンが独立しているため、家族間のコミュニケーションが取りづらいのです。これを広々とした1LDKに変更すると、空間が一気に明るくなります。入居者のターゲット層も大きく広がります。対面式キッチンにできれば、機能性とデザイン性がさらに向上します。

2DK→1LDK
賃料  :78,000円 → 103,000円(月額+25,000円)

工事費用:550万円
利回り :12.0%(上昇分工事費用から算出)5.45%

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3DK→2LDK

賃料  :75,000円 → 84,000円(月額+9,000円)

工事費用:570万円
利回り :10.8%(※上昇分工事費用から算出)1.89%

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4.2. 具体策②:外洗濯機置場の室内化

外洗濯機は劣化リスクが高く、セキュリティ面からも女性に非常に不人気です。安価に室内化するコツは、給排水管の距離を最小限にすること。冷蔵庫置場の寸法は洗濯パン(W640㎜×D640㎜)と近いため、キッチンのすぐ横に新設するのがおすすめです。給排水や電源をキッチン側から引っ張ってくる方法が、最も検討しやすい手法です。

4.3. 具体策③:3点ユニットをシャワーブースへ

専有面積の狭い部屋にある3点ユニットは、衛生面やデザインの観点から敬遠されがちです。バストイレ別に拡張するスペースがない場合は、発想を変えます。既存の浴槽を撤去し、洗い場のみのシャワーブースと独立したトイレに分離させる工事が効果的です。一人暮らしでは、湯船に浸かる需要が少ないためです。温水便座付きの独立トイレを確保した方が、機能性は向上します。バストイレ別にするための高額な工事費用を抑えつつ、不人気設備を解消できるという悩みも解決できます。

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4.4. 具体策④:UBスペースの拡張

専有面積が40㎡を超えるファミリー・カップル向け物件(特に郊外)では、広々としたUBの需要が高くなります。競合物件との差別化に直結するポイントです。2DK1LDKへの間取り変更と合わせて、1116サイズから1416サイズなどへ拡張すると、より高い効果が期待できます。

ユニットバスのサイズを拡大(1116→1416にサイズアップ)
賃料  :80,000円 → 120,000円(月額+40,000円)

工事費用:570万円
利回り :11.2%(※上昇分工事費用から算出)8.42%

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4.5. 具体策⑤:広い1戸を2戸に分ける分割工事

80㎡を超えるオーナーズルーム等は、賃貸需要が低く、面積の割に賃料が伸びません(分譲マンションの平均でも6070㎡台です)。そこで、1戸を2戸に分割します。例えば100㎡の3LDK(家賃18万円)を、需要の高い50㎡の1LDK×2部屋(家賃12万円×2戸=24万円)に分けます。工事費は高くなります。しかし賃料の大幅アップやスムーズな入居付けなど、デメリットを大きく上回るメリットが得られます。

広い1戸を2戸に分ける分割工事
賃料  :100,000円 → 200,000円(月額+100,000円)
工事費用:1,650万円
利回り :12.5%(※上昇分工事費用から算出)7.27%

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5.数字で見るバリューアップの投資効果

投資として効果を最大化できる。その根拠を、実際の事例と数字で見ていきましょう。
【当社でバリューアップ工事を行った事例】投資効果の事例

物件

A(西東京市)

B(葛飾区)

工事費用(投資額)

396万円

316万円

従前賃料 (月額)

97,000円

51,000円

新賃料 (月額)

143,000円

88,000円

賃料アップ額 (月額)

+46,000円

+37,000円

工事利回り

13.9%

14.05%

【効果測定の考え方】
バリューアップが成功したかどうかは、投じた費用に対する見返りで測ります。具体的には、次の式を使います。

工事利回り =(上昇賃料 × 12ヵ月)÷ 上昇分工事費用
上昇分工事費用 = 全工事費通常の原状回復にかかる費用

上記2事例も、この式で算出すると工事利回りは13〜14%台です。これがいかに優れた水準か、他の代表的な投資商品と比べてみましょう。

【他の投資商品との利回り比較】
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投資商品の種類

目安となる期待利回り

リスク・特徴

定期預金

0.002%〜0.2%

元本保証だがリターンは無に等しい

国債(10年)

約1.0%前後

低リスクだが、インフレ負けする可能性

J-REIT(不動産投資信託)

3.5%〜4.5%

手軽だが、価格変動リスクがある

株式投資(高配当株など)

3.0%〜5.0%

元本割れリスク、経済情勢に左右される

バリューアップ工事(リフォーム)

10.0%〜14.0%超

自身の裁量で価値を上げられ、即効性がある

表とグラフのとおり、適切なバリューアップ工事の利回りは、他の金融商品と比べても群を抜いています。最大のメリットは、日々の家賃収入が増え、手元に残るキャッシュフローが確実に増加する点です。しかも自分の物件への投資ですから、株式のように外部要因で価値が突然ゼロになるリスクも、低く抑えられます。

1棟まるごとバリューアップしたら?(試算)】

1戸あたりの効果が大きいバリューアップは、棟全体で見るとそのインパクトが何倍にもなります。上記事例のA(西東京市)(月額+46,000円・工事利回り13.9%)を、1戸あたりの代表値とします。1棟8戸のアパートを、退去のたびに順次バリューアップしていった場合を試算してみましょう。

項目

1戸あたり

1棟(8戸)

月額賃料アップ

+46,000円

+368,000円

年間賃料アップ

+約55.2万円

+約442万円

上昇分工事費用

約396万円

約3,170万円

工事利回り

13.9%

13.9%

資産価値の向上額(売却時)

約790万円

約6,300万円

※試算の前提:1棟8戸、各戸ともA(西東京市)と同等の効果が出ると仮定。資産価値の向上額は「年間賃料アップ ÷ 想定売却利回り7%」で算出(収益還元法の考え方)。実際の戸数・賃料・利回りは物件により異なります。

 賃料が上がれば、収益還元法で評価される投資用不動産の売却価格も跳ね上がります。この試算では、約3,170万円の投資に対し、年間約442万円のキャッシュフロー改善が見込めます。さらに資産価値が約6,300万円向上する計算です(工事費を差し引いた純増でも約3,100万円)。毎月の家賃収入の増加と、将来の売却益の上振れ。この2つを同時に取りに行けるのが、1棟単位で見たバリューアップ工事の威力です。


6.まとめ まずは「投資」として考え、物件に合った一手を

内装リフォームを成功させるには、工事の内容だけでなく、経営全体を見渡す視点が欠かせません。アパートの内装工事は、単なる出費ではありません。他の投資商品と比べても優位な利回りを実現できる「投資」です。インフレが進む今の市況では、収益を守るだけの原状回復よりも、収益を増やすバリューアップこそが、これからの賃貸経営の本命と言えます。

とはいえ、すべての物件でバリューアップが正解とは限りません。立地や賃貸需要が弱い、近く売却を予定している、傷みが軽微で工事費が家賃6ヶ月分以内に収まる。こうしたケースでは、原状回復にとどめる判断が合理的なこともあります。大切なのは、コストをどう抑えるかではありません。投資としてどう効果を最大化するか。この視点で、物件ごとに最適な一手を選ぶことです。

賃貸管理と修繕工事の両方に長けたパートナーと共に、選ばれる物件づくりと収益の最大化を目指しましょう。 

内装リフォームのご相談は武蔵コーポレーションへ

「自分の物件はバリューアップと原状回復、どちらが向いているのか」「いくらかければ、いくら家賃を上げられるのか」。判断に迷ったら、ぜひ武蔵コーポレーションにご相談ください。賃貸管理と修繕工事の両方を熟知した私たちが、物件ごとの最適な一手と投資効果を、具体的な数字でご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。

 内装と外装、手を入れるならどちらが先?

ここまで、内装リフォームを「投資」として捉える考え方を解説してきました。いざ工事を検討し始めたオーナー様からよくいただくのが、「内装と外装(外壁塗装)は、どちらを先にやるべきか?」というご質問です。両者は目的が異なるため、優先順位の付け方にはコツがあります。

内装工事:退去のタイミングで行う、家賃(収益)を上げるための攻めの投資。
外装工事(外壁塗装):建物全体の防水性能を守り、資産価値の目減りを防ぐ守りの投資。おおむね1015年の周期で必ず訪れる必須メンテナンスです。

特に外観の印象は、内見時の第一印象を大きく左右します。いくら室内をバリューアップしても、外壁が色あせていては入居付けに響きます。一方で、足場を組む大規模工事は、タイミングを合わせることでコストを抑えられるケースもあります。

「自分の物件はどちらを優先すべきか」「外壁塗装には実際いくらかかるのか」を判断するために、ぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。

関連記事:アパートの外壁塗装費用はいくら?事例や注意点をわかりやすく解説

 

2027年末に向けてLEDへの交換を!
武蔵コーポレーション

アパートやマンションの照明に今も多く使われている蛍光灯(蛍光ランプ)が今後、徐々に手に入りにくくなることをご存じでしょうか。
実は蛍光灯に含まれる水銀を規制するため、蛍光灯は2028年1月1日以降、製造・輸出入がすべて禁止となります。

既にLED交換工事は増加傾向にあり、それに伴い「価格の高騰」「在庫不足」「工事業者の人手不足」といった問題が顕在化しはじめています。

とはいえ、過度に不安になりすぎる必要はありません。
工事枠と予算に余裕があるうちに計画的に進めて、この危機を乗り越えましょう。

「どこを交換した方がよいのか」
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など、LED交換に関する疑問があれば、何でもご相談ください。

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