家賃収入だけで年収500万円を実現するための実践的不動産投資法

家賃収入
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日々の業務や仕事上の人間関係に悩んでいるときなど、「家賃収入で暮らしていけたらいいのに…」と思う事があるのではないでしょうか。
専門家の立場から言うと、いきなり家賃収入で暮らせるようになるのは非常に難しいと言わざるを得ません。
しかし、知識を身に着けた上で時間をかけて物件を増やしていけば、一般的なサラリーマンと同じような収入を家賃収入のみで実現することは可能です。

「不労所得で暮らしたい」
「嫌な上司や仕事のプレッシャーから解放されたい」

と思う方は、この記事を読み、将来の自分の姿を強くイメージしてみましょう。

この記事では、家賃収入とそこからもたらされる手取り収入(=キャッシュフロー)の計算方法、目標の立て方や達成までの道のり、物件の増やし方、不動産経営のコツを解説します。
しっかりと準備して計画通りに不動産投資を行えば、家賃収入で暮らすことは決して実現不可能な夢ではありません。一緒に勉強していきましょう。


1.家賃収入とは

家賃収入で生活していくのに必要な物件規模(投資金額)を知るには、家賃収入そのものの理解が不可欠です。
家賃収入の仕組みに対する理解は、いざ物件を購入するときに、買ってもいい物件かどうかを判断するのにも大いに役立ちます。順番に学んでいきましょう。

1.1.家賃収入の仕組みと計算方法

家賃収入は、アパートやマンションなどの収益物件を購入し、入居者に貸し出すことによって得られる賃料がもととなります。
必ずしもアパートやマンションである必要はありません。
家賃収入にあたる定期収入を得られる不動産投資としては他に

  • 駐車場
  • テナントビル
  • コインランドリー

などもあります。立地や条件によって最適な種類の不動産経営を選択していただくのが良いでしょう。
しかし、

  • 賃料が安定している
  • 物件探しや運営にかかる手間が比較的少ない

という理由からサラリーマンの不動産投資には賃貸アパート、マンションが適していますので、この記事では賃貸アパート・マンションを購入するという前提で話を進めます。

サラリーマンなら賃貸アパート・マンション

物件金額と賃料の関係は、「表面利回り(%)」という言葉を使って表されます。
例えば1億円の物件の表面利回りが7%だった場合、年間で得られる家賃収入は1億円×7%=700万円です。

売り物件を掲載するポータルサイトや不動産会社から紹介される物件資料には、物件価格と表面利回りが記載されています。
その数値をもとに年間で得られる賃料(=家賃収入)を計算することができます。

なお、物件価格と表面利回りをもとに計算した家賃収入は、その物件が満室で、ずっと入居者が入っている場合のものなので、空室が発生すると得られる家賃収入は少なくなります。

年間家賃収入は物件価格に利回りをかける

また、家賃の他に収益物件のオーナーが不動産経営をして受け取る収入としては、契約によって異なりますが

  • 礼金…入居時に受け取る
  • 更新料…賃貸借契約の更新時に受け取る

があります。しかし入退去の際には必要経費も発生するので相殺されてしまう事が多く、かつ発生時期が未定であることから、収入の計算に無理して入れる必要はありません。また、敷金は退去時に入居者に返すことを前提にしているため、手取り収入を計算する際は考慮しなくて構いません。

1.2.家賃収入から減価償却費以外の必要経費、所得税・住民税、ローン返済を差し引くと手残り現金(キャッシュフロー)になる

年収500万円のサラリーマンと同じ生活を送るには、年間の家賃収入は500万円ではいけません。理由は、物件を所有して家賃収入を得ていても、その全てが自分の手元に残るわけではないからです。

家賃収入から、減価償却費以外の必要経費、所得税・住民税、ローン返済を差し引いて、自分の手残り現金が決定します。これをキャッシュフローと呼んでいます。サラリーマンの方にとっての手取り収入だと考えると、理解しやすいと思います。

家賃収入は手取り収入ではない

また、キャッシュフローの計算方法をまとめると以下の通りです。

キャッシュフロー

では、差し引くものについて、順番に見ていきます。

減価償却費・ローン金利以外の必要経費

賃貸アパート・マンションを所有していて毎年発生する、実際にお金の出ていく必要経費には主に以下のようなものがあります。
不動産管理会社に支払う管理費や修繕費などはイメージしやすいと思いますが、他にも色々な必要経費がありますので、把握しておきましょう。

expense

この他に、不動産経営では減価償却費という必要経費も発生しますが、これは実際の支出を伴わない必要経費なので、手残り現金を計算する際には考慮する必要はありません。
ちなみに減価償却費は、次に述べる所得税・住民税の計算の際に使用します。

また、ローン金利は必要経費の一つですが、計算式の後半でローン返済額(金利+元本)をまとめて家賃収入から差し引くので、ここでは除きます。

ちなみに、固定資産税都市計画税などは、所得税、住民税を算出する際の必要経費に入りますので、ここに区分しています。
税金という同じジャンルですが、次に解説する所得税、住民税とは計算上別のカテゴリになります。

所得税、住民税の計算上、経費に計上することができるかどうかを含めて、不動産経営の経費についてはこちらの記事でも紹介していますので、ぜひご参考ください。

所得税・住民税

上記で説明した必要経費と、ローン金利、また実際には出費のない必要経費である減価償却費を、家賃収入(礼金や更新料、敷金の内入居者に返還しない事が決まっている部分を含む)から引いたものを、不動産所得と呼びます。

不動産所得を算出し、それに税率をかけることによって所得税・住民税の額が決まります。

税率はサラリーマンの給与にかかる所得税・住民税と同様の仕組みです。
サラリーマンとしての給与収入(給与所得)がある場合は、給与所得と不動産所得を合算することで税率が決まります。
給与所得にかかる税金はほとんどの場合事前に源泉徴収されていますが、不動産所得があることによって増加した所得税・住民税については毎年の確定申告によって納付します。

家賃収入にも税金がかかる

不動産投資における税金やその確定申告については、こちらの記事で解説しています。

ローン返済

金融機関から融資を受けて物件購入をした場合は、返済していく必要があります。
先に記載した通り、ローン返済のうち、金利部分については税金計算の際に必要経費として認められます。しかし元本部分については必要経費として計上しないという違いがあります。

この後にも説明しますが、ローン返済が家賃収入に占める割合は50%以下におさめることが望ましいです。逆に言うと購入前は、「家賃収入の半分くらいはローン返済でなくなってしまう」と考えておくと良いでしょう。

以上の項目を差し引くことで、サラリーマンにとっての「手取り収入」にあたる家賃収入の手残り現金を算出することができます。計算方法を再掲します。

キャッシュフロー


2.家賃収入にも税金がかかる

1章でも少し触れましたが、家賃収入には税金がかかります。
この章では、家賃収入にかかる税金の種類やその計算方法を解説します。

2.1.家賃収入にかかる税金の種類

家賃収入に対してかかる税金としては、以下のものがあります。

所得税・住民税

不動産所得(家賃収入ー必要経費)に対して所得税・住民税がかかります。
家賃収入(総収入)に直接課税されるわけではない点にご注意ください。

消費税(かかる場合がある)

居住用物件の賃料は非課税のため、アパートやマンションを居住用として賃貸している限りは、オーナーが消費税を納める必要はありません。

ただし、店舗・事務所など居住用以外の用途で賃貸をしている場合、その賃料は課税対象です。
このような課税売上が年間1,000万円を超える場合は、翌々年に納税の義務が生じます。

2.2.家賃収入にかかる税金の計算方法

続いて、所得税と住民税の計算方法を解説します。まずは、家賃収入から不動産所得を計算します。

不動産所得=家賃収入ー経費

不動産所得は、サラリーマンとしての給与所得などと合算(損益通算)することができます。
そこから各種所得控除を引いて、課税所得が計算されます。

課税所得=不動産所得+その他所得(給与所得など)ー所得控除

所得税

所得税額=課税所得×税率ー税額控除

所得税は累進課税であり、課税所得の金額に応じて5%~45%が課税されます。

住民税

住民税率は基本的に10%ですので、住民税額は下記の式で計算できます。

住民税額=課税所得×10%

自分の年収だとどれくらいの所得税を納めるのか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2.3.家賃収入がある場合は確定申告をしよう

家賃収入がある場合、不動産所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告を期限内にしなかった場合、無申告加算税を課されることになります。また、期限内に納税しなかった場合には、延滞税がかかってしまいます。

不動産所得が20万円以下の場合は確定申告の必要はありません。ただし、損益通算をするには確定申告が必要です。
不動産所得が赤字の場合は損益通算で節税効果を得られるため、基本的には不動産所得の金額にかかわらず確定申告をすることをお勧めします。

損益通算による節税対策については、こちらの記事も併せてご覧ください。


3.家賃収入だけで生活するのは簡単ではない

「いつかはセミリタイアしたいと思っているんだよね」
と、家賃収入で生活することを望む方が、当社の相談にもよくいらっしゃいます。

こういった方々の中には、
・もう十分な年収や資産をお持ちで、家賃収入で暮らしていくための物件購入にすぐに踏み出せる人
もいれば、
・あまり手元資金がなく、銀行から融資も引けないため、物件購入まで実現することができない人
もいます。

要するに、どんな方でもいきなり家賃収入で暮らしていけるようになるわけではないのが実情です。もちろんこの記事を読んでいる方も、家賃収入で暮らしていく事がそれほど容易ではないことだと思っていらっしゃると思いますが、具体的には何が、家賃収入で暮らしていく事のハードルとなっているのでしょうか。
家賃収入で暮らしていく事が困難な理由から、実現の可能性を見ていきます。

3.1.総投資金額が膨大

基本的には、大きな金額を投資しないといけないことが、ほとんどの人が家賃収入で暮らしていけない理由です。
「当たり前でしょ」と思われるかも知れませんが、実際にどれくらいの投資額が必要なのか、計算してみたことがある方はそう多くないはずです。

これから、家賃収入で暮らしていくためにどれほどの投資金額が必要なのか、計算方法も含めて詳しく見ていきます。
しかしここでおおよその答えを先に言ってしまうと、ある程度収益性の高い物件を手に入れられたとしても、年収500万円のサラリーマンと同じ手取り収入を得るためには、6000万円程度の物件を現金で購入する必要があります。

いかがでしょうか。
「想像より多かった」という方もいれば、「意外と少ない」と思われた方もいるかもしれません。
しかし現実には、6000万円ものお金を現金で用意することは中々容易ではありません。この総投資額の大きさが、家賃収入で生活することのハードルが高い理由です。

3.2.ローンを利用するとさらに大きな投資金額が必要に

先ほど、現金で6000万円が必要だと述べました。
しかし、この記事をお読みの方の中には「そんなに現金を持っていないけど、ローンで買えばいいんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

確かにローンを組むことで、手元資金がなくても物件を購入できるというのが、不動産投資の特徴の一つです。
しかし、ローンを引いて購入する場合は、ローン返済分が毎月手取り収入から差し引かれるという事を忘れてはいけません。手残り金額を増やそうとすれば、さらに多くの投資金額をつぎ込む必要があります。

先ほどと同様に計算してみると、収益性の高い物件であったとしても、年収500万円のサラリーマンの手取り収入相当額である400万円を実現するには、およそ2億円の総投資金額が必要な概算になります。
十分な収入や手元現金があれば不可能とは言えませんが、一般のサラリーマンの方だとなかなかローンが下りず、手が届かない金額です。

3.3.家賃収入での生活は時間をかけて目指すもの

いかがでしょうか。家賃収入で暮らしていくための投資金額の規模が、今までよりリアルに感じていただけたのではないでしょうか。

  • 現金で6000万円が必要
  • 2億円のローンを組まないといけない

というような言葉を目にすると「やっぱり家賃収入で暮らしていくのは難しいのか…」と思うかもしれません。
しかし、現実には家賃収入で生活している人がいることは事実であり、可能なことです。
代々続く地主である必要もなければ、驚くほどの高収入である必要もありません。

いきなりそれだけの投資を行なうのは難しくても、事前にきちんと計画をたて、時間をかけて少しずつ収益物件を購入することで、不動産投資での収入を着実に増やしていく事ができます。
理想とする家賃収入での生活に向けて歩み出せるよう、家賃収入についての理解を深めましょう。

いきなり家賃収入での生活は難しい


4.家賃収入で生活するための目標設定

家賃収入について理解できたら、次は家賃収入で暮らしていくために、どれくらいの投資金額が必要なのか目標を設定しましょう。事前に目標を定めておくことで。ゴールへの道のりを具体的にイメージして進んでいくことができます。
ここで紹介する手順に従って進めてください。

4.1.自分の給与収入と手取りを把握しよう

サラリーマンの場合、現在の手取り収入が一つの目標となると思います。源泉徴収票を確認して、現在の給与の総支給額とともに手取り収入を把握しましょう。

手取り収入は、総支給額がたとえ同じである人でも家族の有無など控除項目の違いによって差が発生するものなので、一人一人違います。
源泉徴収票に記載の事項から、以下の計算方法で手取り収入を計算できます。

手取り年収の計算式

源泉徴収票が手元にない場合は、月々の給与、及びボーナスの「差引支給額」から計算することも可能です。

計算ツールを記載した記事もありますので、詳しく計算してみたい方はご参考ください。

先ほど記載した通り、同じ総支給でも手取り収入は様々ですが、例えば年収(総支給)500万円のサラリーマンの場合は、手取り収入は390万円~400万円になることが多くなります。

もちろん手取り収入を全て家賃収入から得られなければ不動産経営は失敗という事ではありません。
当社で物件を購入して不動産経営をされている方でも、本業の手取り収入の半分を家賃収入から得ていることで、心に大きな余裕ができたと仰っている方がいます。
自分の状況に合わせて、目標額を決めていきましょう。

以下では一つのモデルケースとして、日本のサラリーマンの平均的な年収である500万円、つまり手取り収入400万円を達成することを目標にして考えていきます。

4.2.返済比率と必要経費率から、必要な家賃収入を計算しよう

家賃収入=キャッシュフローではないことは、先に説明した通りです。
400万円のキャッシュフローを目指すためにはどれほどの家賃収入が必要なのか、見ていきましょう。本記事でも何度か出ている、以下の計算方法をもとに計算していきます。

キャッシュフロー400万円

ローン返済:返済比率を家賃収入の50%と仮定

最初に考えるのはローン返済で、返済比率という考え方を使用します。返済比率とは、家賃収入に占めるローン返済額(元本・金利)の割合の事です。

計算方法:返済比率(%)=返済額(万円)÷家賃収入(万円)×100

例えば年間1000万円の家賃収入を得ていて、ローン返済が500万円の場合は、その不動産経営の返済比率は50%です。物件を全額現金で購入する場合は、返済がないので返済比率はゼロになります。
返済比率は物件の利回りと、金利、返済期間、融資割合(物件価格のうちどれだけの金額をローンで賄うか)によって決まります。
実際に購入するまでは返済比率は確定しないのですが、返済比率が50%を超えると賃貸経営としては不安定になってしまうので、目標を立てる時点では返済比率を50%以下と仮定するのが良いでしょう。

返済比率は50%

減価償却費とローン金利以外の必要経費・所得税・住民税:合わせて家賃収入の30%と仮定する

1章で必要経費についても説明しましたが、必要経費がどれくらいかかるか、また所得税・住民税の額がどうなるか、その正確な金額も購入してみなければ分かりません。

当社でも、具体的な提案を行う前段階として簡易シミュレーションをする際に、不動産経営の必要経費と所得税・住民税を合わせて家賃収入の30%程度と仮定してお客様に説明しています。

費用は3割

必要な家賃収入の計算方法

以上の仮定と、先に説明した手残り現金の計算方法から、必要な家賃収入を計算していきます。

キャッシュフロー計算

目標となる手残り現金は年間400万円と設定しました。必要な家賃収入をXと置きます。
400万円=X0.3X0.5X
この方程式を解くと、X=家賃収入は年間で2000万円と出てきます。

以下に、ここまでに紹介した計算方法を反映したシミュレーションツールを設置しました。目標の手残り現金を記入すると、必要な家賃収入を算出してくれます。あくまで目安ですが、活用してみてください。

4.3.表面利回りから物件金額を計算しよう

必要な家賃収入が分かったら、表面利回りで割って物件金額を出します。それが家賃収入で暮らしていくために必要な総投資金額となります。
1章で説明しましたが、表面利回りと物件金額、家賃収入の間には次のような関係が成り立ちます。

物件価格に利回りをかけると家賃収入

表面利回りは物件の構造や築年、立地によって相場が変化します。
現在の市況だと、例えば首都圏の築浅マンションでは表面利回りの相場は4~5%程度、関東圏で中古のアパートを探すと表面利回りが10%前後のも物件も多くあります。

この計算方法でいくつか例を考えてみると分かるのですが、表面利回りが高くなればなるほど、同じ家賃収入を得たいときに必要な物件金額(総投資金額)は少なくて済みます。
しかし、利回りが高くなることは賃貸経営におけるリスクが大きくなる(空室リスク、修繕リスク)こととほぼ同義ですので、一概に高ければよいとは言えません。

こちらも、家賃収入と利回りを入れると物件金額が算出されるツールを用意しましたので、ご活用ください。

ここまでの計算方法をもとに、年収500万円のサラリーマンと同じ手取り収入である400万円を、表面利回りが8%の物件で実現する場合、物件価格は25000万円と計算できます。
ちなみに表面利回りが10%の場合は、物件価格はもっと少なくて済み、2億円という計算になります。

4.4.今の年収、自己資金の観点から、購入できる金額かどうかを判断しよう

家賃収入で今の年収と同じ生活をしていくために、どれくらいの総投資金額が必要なのかを把握するための計算方法をお伝えしました。必要な総投資金額が算出できたら、次にその金額の物件を自分が購入できるのかを検討します。
自身の今の年収自己資金の観点から見ていきます。計算方法は以下に示す通りです。

融資で調達できる最大金額の目安は年収の10倍

サラリーマン向けに不動産投資用のローンを提供している金融機関はいくつかありますが、個人が調達できる上限金額の目安は今の年収の10倍程度です。
購入予定の物件の資産価値や個人の属性によって多少は増減がありますが、概ねこの程度だと考えましょう。

先ほど、平均的なサラリーマンの年収が500万円だと説明しましたが、この計算方法に基づくと、5000万円が調達できる上限金額の目安となります。

購入できる物件の最大金額の目安は自己資金の7倍

現在の不動産投資向け融資の市況としては、物件購入の金額を銀行が全て融資してくれることは一般的ではありません。一部の金額を自己資金として投入する必要があるケースがほとんどです。

また、登記費用など、物件購入にかかる初期費用も考慮すると、物件を購入する際は物件金額の15%程度の自己資金が必要になると考えてよいでしょう。
言い換えると、自己資金の7倍程度が、購入できる物件の最大金額となります。(もちろん融資条件によっては、もっと少ない自己資金で高額の物件を買えたり、物件購入に全く自己資金が必要なかったりするケースもあります)

先ほど、年収500万円のサラリーマンと同じ手取り収入を実現するための物件価格を2億円と概算しましたが、この場合の自己資金は、先ほど紹介した計算方法を使うと3000万円となります。

「今、3000万円持っているか」
「今口座から3000万円がなくなっても自分の生活は大丈夫か」
と自分に問いかけてみましょう。
検討の結果、出せる自己資金が少ないと分かれば、その金額をおよそ7倍することで物件金額を計算することができ、その場合に得られる手残り現金も概算することができます。

こちらの計算方法に基づくと、例えば、出せる自己資金が300万円である場合は、物件金額は2000万円程度、手残り現金は年間約40万円です。
上記2つの観点で出る金額のうち、少ない方が、今あなたが買える物件金額の目安となります。

買える物件の範囲

この計算方法で出てくるのはあくまで概算値でぶれ幅も大きいのですが、家賃収入だけで生活していくことの難しさは感じていただけたのではないかと思います。


5.物件の増やし方

多くのサラリーマンの方にとっては、

  • いきなり一つの物件を購入して、その家賃収入で暮らしていけるようになるわけではない
  • 物件を少しずつ増やして、いずれは家賃収入だけで生活できるようになるというのが現実的なルートである

ということを実際の金額をもとに実感して頂けたことと思います。
ただ、物件を増やすと言っても、どんな物件を買っても良いというわけではありません。ここでは、物件を徐々に増やしていく際の鉄則をお伝えします。

物件の増やし方

5.1.最初は高利回りの物件を購入する

最初は高利回りの物件を購入しましょう。
総投資金額に制約がある中で、最初に都心の新築区分マンションなど低利回りの物件を購入してしまうと、目標の家賃収入を稼ぎ出すことが難しくなります。
最初はリスクを避けるために小規模で低利回りの物件を購入してしまうサラリーマンの方が多いのですが、最初に買う物件は少なくとも表面利回りが8%以上あることが望ましいです。

もちろんこれまでに述べてきた通り、高利回りとリスクは隣り合わせの関係にあります。
しかし、不動産経営のリスクは、自身で知識を身に着けたり、専門家のアドバイスを受けたりすることによって最小化することが可能です。きちんと準備、検討をして、高利回りの物件を購入することをお勧めします。

5.2.残債を減らしながら自己資金を貯める

高利回りの物件を運営すると、ローン返済によって残債を減らしながら、キャッシュフローの積み上げによって自己資金を貯めていくことが可能です。
きちんと賃貸経営で利益を出していく事ができれば、金融機関も追加融資をしてくれるようになります。

現在の収入を家賃収入で実現するためには、多くのケースで最終的には1020年程度の期間を必要とします。長期的な計画を作成しましょう。

5.3.空室対策を行い入居率を高く保つ

言うまでもありませんが、家賃収入の最大化のためには空室を発生させないこと、発生したとしてもすぐに次の入居者を入れることが重要です。

不動産経営において空室対策は最も気にすべきことです。常に賃貸需要に気を配りながら、入居者がきちんとつく不動産経営を行いましょう。
空室対策については、この記事に詳しくまとめてあります。

5.4.減価償却期間の終わった物件は売却して資産を入れ替える

不動産経営をする中で、保有している物件の減価償却期間が切れることがあります。減価償却期間が切れると、融資を引いて物件を購入している場合はデッドクロス状態となり、途端に収益性が悪くなります。

税金の負担が重くなってしまうので、家賃収入で暮らしていくためにはデッドクロスの状態になることは避けなければなりません。
減価償却期間が切れるタイミングを把握し、デッドクロスになる前、もしくはなった後になるべく早く売却し、資産を定期的に入れ替えていく必要があります。

不動産の売却や、2棟目以降の物件購入についてはこちらの記事でも解説しています。




6.購入できそうにない…となったときの対応策

これまでに紹介してきた計算方法はあくまで概算ですが、家賃収入で暮らしていける物件を一般のサラリーマンが一度に購入することは難しいと感じたと思います。

しかし、世の中には不動産経営を行い、家賃収入で暮らしている人がいることも事実なので、ここであきらめる必要はありません。
一度に購入することが難しくても、以下のような方法を時間をかけて実行すれば、家賃収入での生活に近づけます。

購入できない時の対応策

6.1.自己資金をためる

総投資金額を増やすための最も安全な方法は、貯蓄や他の投資によって自己資金を増やすことです。
物件金額の15%、自己資金が必要という計算方法上の仮定の下では、貯めた金額の67、購入できる金額の上限が増していくことになります。
当社にいらっしゃるお客様にも、

  • 不動産投資の元手を株式投資で稼いだ方
  • コツコツと貯蓄されてきた方

などがいらっしゃいます。時間がかかったり、株式投資の成否に左右されたりする方法ではありますが、取り組まない理由はないと言ってもいいでしょう。

6.2.より高利回りの物件を狙う

利回りが高くなればなるほど、得られる家賃収入は多くなるので、総投資金額が少なくて済みます。

  • 新築ではなく中古物件に目線を変える
  • 23区ではなく地方都市の物件を探す

などによって利回りを上げることができますので、物件探しの条件を変えてみましょう。

しかし先ほども述べた通り、利回りが高くなるにつれて不動産経営のリスクは上がります。極端に高い利回りの物件は、何かおかしい所があると用心する必要があります。
安全な範囲で投資を進めていくには、関東圏の物件では利回り10%前後が上限だと考えましょう。
また、高利回り物件の購入を検討する際は、

  • 入居者をきちんと見つけられる物件か
  • 早期に大規模修繕が必要な物件ではないか

などを、場合によっては専門家の力も借りながら確認しするのが良いでしょう。

6.3.共同担保を入れる

親から実家を相続した場合など、借入のない不動産をお持ちの方は、その物件を共同担保に入れることで銀行から借入金額を増やせる可能性があります。

  • 立地
  • 構造
  • 築年数

などの要素によって、その物件の担保としての評価額が変わりますので、全ての物件が共同担保として有効というわけではなく、全く担保価値が出ない物件もあります。
しかし該当する物件を持っている場合は銀行に相談してみても良いでしょう。

共同担保について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

6.4.目標金額を変える、少ない金額から始める

ここまで紹介した方法でも、「十分に総投資金額を増やせそうにない」という方は、目標金額を変更して少ない金額から始めていくことになります。

現在サラリーマンとして働いている方は、当面の間は今の手取り収入すべてを家賃収入で賄えなくてもよい、半分くらいでもよいという方も多いはずです。
その場合は少ない金額で不動産経営を開始し、少しずつ投資金額を増やしていく、つまり物件を増やしていくという流れになります。

不動産経営で着実に利益を上げ、ローン返済をしていけば銀行からの信用も上がりますし、時間をかける中で年収や自己資金が上がれば、投資金額を増やしていく事ができますので、長期的な視野で目標を追いかけていくことが重要です。


7.まとめ

多くのサラリーマンの方にとって、不動産経営による家賃収入で現在と同じような生活を今すぐ送ることができるようになるのは、なかなか難しいということをお伝えしました。

しかし、家賃収入ですぐに生活できるようにはならなくても、この記事で紹介したポイントを意識して買い進めれば、家賃収入での生活が実現に近づきます。
長期的な計画をしっかりと立てて進めていきましょう。

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