不動産買取|仲介との違いやおすすめのケース、売却までの流れを解説

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「不動産を早急に売却して現金化したい」と考えていませんか?そんな人には、「買取」という売却方法を検討してみることをおすすめします。

不動産の売却には、不動産業者に買主を探してもらう「仲介」という方法と、不動産業者自身が買主となる「買取」という方法があります。

不動産の買取では、不動産業者が提示した買取金額で売却します。仲介と比較すると売却価格が安くなりがちですが、販売活動をする期間が必要ないため、最短2週間程度で売却できるというスピード感が魅力です。市場では買い手が見つかりにくいような悪条件の物件でも、買取業者ならすぐに売却できます。

また、業者が買主になることで、売主は売却後の物件の問題に対する責任が免除されたり、面倒な交渉が不要だったりするという利点もあります。

不動産を売却する際には、「時間がかかってもいいからできるだけ高く売りたい」、「多少安くても早く売りたい」、「面倒なやり取りが嫌なので楽な方法で売りたい」など様々なニーズがあります。
理想の不動産売却をするためには、買取と仲介の違いやそれぞれの特徴をきちんと理解し、自分のニーズに合わせて最適な売却方法を選ぶことが重要です。

本記事では、
・不動産の買取と仲介の違いと、それぞれのメリット・デメリット
・不動産売却にあたって買取が適しているケース
・買取業者に売却する流れ
などを解説します。


目次

1.不動産買取とは

不動産の「買取」とは、不動産を売却する際に不動産業者に直接買い取ってもらうことです。
不動産売却では一般的に、仲介業者に売却を依頼して買主を見つけてもらう「仲介」という方法をとることが多いです。したがって、買取業者への売却はほとんどの人にとって馴染みが薄いかもしれません。
まずは不動産買取とは何かについて、仲介と比較しながら解説していきます。

1.1.不動産売却の買取と仲介の違い

不動産の売却には、「買取」と「仲介」という2種類の方法があります。両者を簡単に説明すると、以下の通りです。

買取:不動産会社に直接買い取ってもらう
仲介:不動産仲介会社に売却を依頼し、買主を見つけてもらう

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仲介では、不動産仲介業者に不動産の売却を依頼(媒介契約を締結)し、仲介業者は買主を探します。仲介では、買主は一般の(不動産業者ではない)個人・法人となることも多いです。

仲介会社が買主を見つけてくる方法は、自社の見込み顧客や店舗への来店客への物件紹介、レインズ(不動産流通機構)や不動産ポータルサイトなどの各インターネット媒体への物件掲載、新聞折り込みチラシなどです。

買主候補が見つかった後は、仲介業者が売主と買主の間に立ち、価格その他契約条件の交渉や手続きなどを進め、契約後の決済・引き渡しまでサポートします。

仲介であれば市場に存在する購入検討者に幅広くアプローチできるため、特に需要のある物件であれば相場価格に近い金額で売れる可能性が高いです。ただし、必ずしも買主が見つかるとは限らないため、売却期間が長引いてしまう可能性もあります。

一方で買取は、不動産業者自身が買主となります。多少の金額交渉はありますが、基本的には不動産業者が提示した買取価格で売却します。買主を探す広告・販売活動の期間がかからないため、スピーディーな売却ができるという点が特徴です。
また、仲介で一般の買主への売却が難しい物件(築年数が古すぎる、違反建築である、事故物件であるなどの不人気物件)でも、業者が買い取ってくれることがあります。(もちろん買取業者の買取条件によるため、どんな物件でも買い取ってくれるわけではありません。)
ただし、買取の場合の売却価格は、市場価格に対して割安になる傾向があります。

1.2.すぐ売りたい人におすすめな「即時買取」と、売却時期の期限がある人におすすめな「買取保証」

不動産買取には、「即時買取」と「買取保証」の2種類があります。

即時買取 買取保証
メリット ・契約までの期間が短い
・契約が煩雑でない
・内見回数が少なくて済む
・仲介で売却できた場合、即時買取より高値で売却できる可能性が高い
・仲介期間で買主が見つからなくても、最終的に業者に売却できる
デメリット ・仲介より売却価格が低くなる ・仲介期間に売却できるかはわからない
おすすめするケース 早急に現金化したい 売却時期の期限があるが、できるだけ高く売りたい

即時買取

買取業者との価格交渉など条件面での合意がつき次第、すぐに買い取ってもらうのが「即時買取」です。最短1週間~2週間程度という短期間で売却することができ、早急に現金化したいという方におすすめの方法です。仲介のように市場での販売活動は行わないため、市場価格と比較すると売却価格は安くなる傾向があります。

買取保証

買取と仲介のいいとこ取りのような売却方法が、「買取保証」です。
買取保証の場合は、事前に買取額と時期を決めておいた上で、まずは仲介による売却活動を行います。仲介で販売活動をする期間は、基本的に3か月です。この期間内に売却できなかった場合には、事前に決めていた買取金額で業者に売却します。

買取保証のメリットは、最初に仲介での販売活動をすることでできるだけ高い金額(市場価格)で売れる可能性がある点と、万が一仲介で売れなかった場合でも最終的には業者が買い取ってくれるという点です。
できるだけ高く売却したいものの、売却時期の期限があるという場合には、買取保証をしてくれる不動産業者に依頼するのがおすすめです。

買取と仲介のメリットを併せ持つ買取保証ですが、すべての不動産業者が買取保証をしてくれるわけではありませんので注意が必要です。仲介のみ、あるいは即時買取のみしかしない不動産会社も多いため、実際のところ買取保証を利用できるケースはそれほど多くないかもしれません。


2.不動産買取の特徴

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不動産買取の特徴(メリットやデメリット)や仲介との違いを比較表にしました。本章ではそれぞれ詳しく解説します。

買取 仲介
売却までの期間 短い(最短2週間程度) わからない(長期化する可能性がある
媒介契約の期間は一般的に3か月。すぐに売れることもあれば、売れ残る可能性もある
決済の確実性 ローン特約なしなら確実 買主のローン審査が通らないと、契約解除になるリスクがある
売却価格 市場価格より安くなる傾向にある 市場価格(に近い価格)で売れる
契約不適合責任 なし あり
仲介手数料 かからない かかる(売却価格の3%が目安)
内見回数 少ない(1回程度) 多くなる可能性がある
周囲に知られるリスク ない(低い) ある(高い)

2.1.短期間で売却が完了するため、すぐに現金化できる

不動産買取の最大のメリットは、短期間で売却できることです。不動産業者への相談から契約・決済まで、最短2週間程度で売却が完了します。

仲介の場合は希望価格を提示して買主を探しますが、いつまでに買主が見つかるかはわかりません。条件の良い(人気が高い)物件であれば購入希望者がすぐ見つかるかもしれませんが、条件が悪い物件や希望価格が高すぎる場合には、購入希望者がいつまで経っても現れない可能性もあります。

一方で買取の場合は、買取業者が査定した価格に納得できれば、すぐに売買契約を結ぶことができます。買取の場合も業者による訪問調査(内見)は基本的に行われますが、販売活動が不要なためかなりの期間短縮が可能です。

また、詳しくは後述しますが、業者買取の場合は売買契約に「ローン特約」を付けないことが多いです。これにより、買主がローン審査に落ちて契約が白紙に戻るリスクもないため、短期間で確実に決済することができます。

不動産の売却にあたって「買い替えのために今の物件を今年中に売りたい」など、現金化したい期限がある場合には、売却期間を短くできる買取が適している可能性があります。自身の状況に合わせて買取か仲介かを選択することが重要です。

2.2.決済の確実性が高い(ローン特約なしで契約できる)

買取業者はローン特約なしで買い取ることが多いため、売主としては確実に現金化できるというメリットがあります。

ローン特約とは、買主がローン審査に落ちてしまったとき、不動産の売買契約を白紙解除できるという特約です。一般の不動産売買では、消費者(買主)保護の観点からローン特約を結ぶことがほとんどです。

ただし、売主にとってはローン特約があることで、物件を確実に現金化できるかわからないことになります。不動産を売却したい期限がある場合に万が一買主のローン審査が通らないと、また新たな買主を探して契約する必要があります。(ローン特約の内容次第では、同じ買主で他の金融機関に融資を打診することもできます。)
いずれにしてもローン特約があると、「早く確実に現金化したい」という売主のニーズは満たされないリスクがあります。

一方で、買取業者は多くの場合でローン特約なしで契約します。
なぜローン特約なしで契約できるかというと、業者は個人に比べて保有している現金が多いからです。
業者が買い取る際にはそもそも現金で購入する場合も多いですし、金融機関から融資を引く場合にも、最悪ローンが通らなくても現金で購入できるだけの余裕があります。
ローン審査には数週間は時間がかかるため、特に売主側の事情などで早急に現金化が必要な時などには、業者は現金決済で買い取ることも多いです。

現金化したい時期が決まっているのであれば、仲介より確実に期限までに現金化できる買取を検討することをおすすめします。

2.3.売却価格は相場より安くなる可能性が高い

短期間で売却できるというメリットがある買取ですが、仲介と比較すると売却価格は安くなる傾向にあります。ただし、どのくらい安くなるかはケースバイケースで、買取で売却した物件が仲介でならいくらで売れたのか、実際のところはわかりません。

買取と仲介での売却価格にどのくらいの開きがあるかは、買取業者やその物件次第というのが正直なところです。買取価格が仲介(想定)価格と同程度のこともあれば、半値以下のこともあります。

仲介では市場で広く購入希望者を募ることができるため、最初は高めの希望価格で売り出していくことが一般的です。その希望価格で買い手が決まればベストですし、もし反響が芳しくないようなら少しずつ価格を下げていくという戦略も有効です。
こうすることで条件の良い物件なら希望通りの価格で売却できる可能性もありますし、そうでない物件でもできるだけ高い値段で売却できます。

一方で買取の場合は、物件情報が市場に出されずに売却活動が終わります。もしかすると、仲介で時間をかければ買取業者よりも高値で購入してくれる買主を見つけられたかもしれません。

また、買取業者の場合は物件をリフォームしたり、取り壊して更地化してから新築したりして、再度販売します。
その中では、購入にあたっての不動産取得税や登録免許税、購入資金の借入費用、リフォーム費、人件費、広告宣伝費などがかかります。また、売主の契約不適合責任が免責されるため、その分のリスクも負担しています。
そうした経費やリスクを負担する上で業者の利益も見込んで買い取るため、業者が買い取る金額はどうしても仲介価格より安くなる傾向があります。

ただし、買取業者の形態によっても買取価格は変わってきます。
たとえば、買取業者が仕入れた物件をそのまま転売するのと、買取業者が買い取った物件をリフォームして再販するのとを比較すれば、当然リフォーム費などを加味する後者の方が買取金額は低くなる傾向にあります。

いずれにせよ、傾向としては買取の方が仲介よりも安くなる可能性が高いです。
したがって、時間をかけてでも高く売りたいのであれば、まずは仲介を選ぶ方が高く売れる可能性は高いです。その場合には、もし仲介で一定期間販売活動をしても買い手が見つからないのであれば、買取業者に相談するというのが良いでしょう。

2.4.売主は売却後の責任を負わないため安心できる(契約不適合責任の免除)

買取業者に売却すれば、売主は契約不適合責任が免除されます。仲介で売却する場合は業者ではない一般の人が買主になることが多く、その場合には売主が契約不適合責任を負うことになります。

契約不適合責任とは、売却した不動産に何かしらの問題点があった場合(「契約内容に適合していない」と判断された場合)、売主が買主に対して負わなければならない責任のことです。
例えば、築年数の古い物件を売却した後に雨漏りやシロアリ被害、傾きなどが見つかった場合、売主が修繕費用を出したり、補償したりする責任が生じます。(事前にこれらの存在を説明して買主が了承済みであり、売買契約書にも記載している場合は、契約不適合責任は問われないケースが多いです。)

このような問題点を故意に隠して売却するのは論外ですが、売主自身も気づかないまま売却してしまうことも十分考えられます。このような場合、買主が不動産業者ではない一般の買主であれば、売主は責任を免れません。売却後に瑕疵が発覚して責任を問われるリスクがあるため、多少の不安は残ってしまいます。

しかし、買取業者への売却であれば安心です。契約不適合責任は消費者を保護するものであるため、買主が不動産業者(宅建業者)の場合には契約不適合責任は適用されません。
築年数が古くて劣化している建物を売却する場合などには、売却後も安心できる買取を選ぶのもおすすめです。

2.5.買主との面倒な交渉が必要ない

一般的に不動産の売却には面倒がつきものです。一般の買主への売却であれば、価格交渉は当然ながら、それ以外の部分でも細かい交渉が発生することがあります。

例えば、家などを売るときの問題の一つに残置物があります。残置物は基本的には売主が撤去するものとされていますが、買主が撤去することも可能です。その際には、売主が撤去費用を出したり、売買価格から撤去費用分を差し引いたりします。ただ、これもすべて交渉によって決めることになります。

他にも、境界未確定や再建築不可(接道義務を満たしていない)、旧耐震の物件などはトラブルのもとだったり、そもそも一般の買主には敬遠されたりしがちです。このような物件を一般の買主と売買しようとすると、細かい条件交渉や価格交渉が生じやすいです。

その点、買取業者への売却は楽です。もし残置物を売主で撤去しないのであれば、その撤去費用を加味した買取価格を業者が提案してくれます。あとは買取業者の提示した金額で納得できるか否かです。
先に述べたように業者買取であれば契約不適合責任も免責されるため、売却に手間がかかるような悪条件の物件であれば、買取業者への売却の方が交渉や契約手続きに煩雑さがなくておすすめです。

2.6.仲介手数料がかからない

仲介で売却した際には、売却価格の3%を目安に仲介手数料を支払いますが、買取での売却であれば仲介手数料はかかりません。

2.7.少ない内見回数で済むため、居住者や売主の負担が少ない

買取の場合は、内見(内部見学)の回数が少なく済む傾向があります。買取業者は詳しい価格査定の前に内見をするのが一般的ですが、基本的には1社1回で済むことが多いです。

これに対して仲介の場合は、最初に仲介業者が内見をして価格査定をした上で販売活動をスタートし、その後も購入希望者が現れるたびに内見が行われます。購入希望者が現れてもなかなか契約に至らない場合には、何度も内見回数を重ねることになります。

自分が住んでいる家や賃貸中で入居者が住んでいる物件の内見にあたっては、居住者のスケジュールを合わせたり、事前に清掃や片づけをしたりする必要があります。また、空き家の場合でも売主が内見時に立ち会うことがあります。
内見を何度も行うと居住者や売主にとって負担が大きくなるため、できるだけ少ない回数で済ませたいものです。

その点、買取業者なら基本的に1回の内見で買取可否や買取金額を提示してもらえるため、売主(賃貸物件の入居者も含めて)にとっては楽に売却できる方法だといえます。

2.8.売却することを近隣住民や入居者などに知られにくい

自分が住んでいる家や賃貸中の物件を売るとき、「近隣住民に知られたくない」、「入居者に知られたくない」など、周りの目が気になる人も多いのではないでしょうか。買取業者への売却なら周囲に知られることなく、安心して売却しやすいです。

買取では、仲介のように物件販売のための広告宣伝は行いません。レインズや各種ポータルサイトに掲載したり、チラシを配布したりすることはないため、物件の売却に関する情報は外部に公開されません。
したがって、その物件が売りに出されているという事実や販売価格を近所の人や入居者に気づかれることはありません。

また、前述の通り仲介だと複数回にわたって購入希望者が内見に訪れることがあります。不動産業者や見知らぬ人が何度も出入りしていれば、売却活動をしていることを周囲に気づかれるかもしれません。その点でも、内見が基本的に1回で済む買取なら周囲に気づかれるリスクは低いため安心です。

2.9.買取できない物件もある

物件が仲介ではなかなか売れないときの頼みの綱である買取業者ですが、どんな物件でも買い取ってくれるわけではありません。悪条件の物件を買取で売るときは相応に価格が安くなりますが、そもそも買い取ってもらえない可能性も当然あります。

例えば、事故物件などは買取業者にも敬遠されることが少なくありません。ただし、逆に事故物件を積極的に買い取ってくれるような業者もあります。
一つの買取業者に断られた場合でも、他社であれば買い取ってくれる可能性があります。一度断られた物件でも、他の買取業者に問い合わせてみることをおすすめします。


3.買取での売却がおすすめできるケース

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2章で説明した買取の特徴を踏まえて、買取での売却に適しているケースを紹介します。

3.1.できるだけ早く確実に現金化したいとき

買取の最大のメリットは短期間で売却できる点です。また、ローン特約なしで買い取る業者が多いため、売買契約を結べば確実に現金化できるといってよいでしょう。
そのため、「多少安くてもできるだけ早く現金化したい」というニーズには買取が適しています。

逆に「時間がかかってでも可能な限り高値で売りたい」という人には、買取ではなく仲介が適しています。仲介で一定期間売却活動をして、それでも売れない場合に買取を検討するのが良いでしょう。

買取に適している「早く売却したい」というニーズに当てはまる具体的なケースとしては、以下のようなものがあります。

・自宅の住み替えや投資物件の買い替えのため
・相続税の納付のためや、相続発生前に不動産を現金化するため
・借金の返済のため
・仲介で長期間売れていない物件

3.2.市場で売れづらい物件を売りたいとき

市場では売れづらい物件なら買取がおすすめです。

先述の通り、一般的に売却価格は仲介の方が買取より高くなります。好条件(築年数が浅い、立地が良い、設備が最新であるなど)の物件であれば、市場で売却することで高値かつ比較的短期間で売れる可能性が高いため、仲介がおすすめです。
これに対して、悪条件の物件はそもそも市場での売却は難しいため、仲介で売却活動をして余計に時間をかけるよりも、買取業者に手間をかけずに売却するのがおすすめです。

以下のような物件なら、市場では買い手を見つけづらいため買取が向いている可能性が高いです。

・築年数が古い(特に昭和56(1981)年以前の旧耐震基準の物件)
・立地が悪い
・違反建築や再建築不可、シロアリ被害など何かしら欠陥がある
・事故物件(自殺や事故などの心理的瑕疵がある物件)

このような物件は、リノベーション工事を施したり更地化したりすることが考えられますが、多額の費用がかかります。個人がそのようなリスクを負担してまで購入することは難しいため、不動産業者が買い取るケースが自ずと多くなります。

3.3.売却時の面倒や売却後のトラブルを避けて楽に売りたいとき

3.2.で挙げたような悪条件の物件はそもそも市場では売りづらいですが、もし仲介で一般の買主に対して売れるとしても、条件交渉や価格交渉が難航する可能性が高いです。

また、さほど悪条件ではない普通の物件であっても、仲介であればやはり価格交渉などは生じるケースが多いです。
そういった価格交渉や条件交渉が面倒だと感じる方は、買取業者の提示した買取額に納得できるのであればそちらの方が良いでしょう。

また、2.4.で説明した通り、業者が買い取る際には売主の契約不適合責任は免責されます。一方で仲介で一般の買主に売却した場合は、売主には契約不適合責任があります。万が一売却した後に物件に問題が見つかった場合、売主は損害賠償を支払うなどの事態に陥るリスクがあります。

このようなリスクを避けるために、築年数が古くてどんな欠陥があるかわからない場合や、すでに欠陥が判明している物件なら買取を選ぶことをお勧めします。契約不適合責任がなければ、売主は売却後も将来にわたって安心です。
ただし、当然ながら欠陥を故意に隠すと契約不適合責任を免れませんので、注意が必要です。

3.4.売却することを周囲に知られたくないとき

買取では仲介のように広告宣伝を伴う販売活動をしないため、物件の売却情報は外部に公開されません。また、購入検討者が何度も内見に訪れるようなこともなく、基本的には業者が一度訪問査定をする程度です。そのため、不動産を売ることを周囲に知られたくない人には買取がおすすめです。

売却を周囲に知られたくない理由としては、近隣住民との間に人間関係トラブルを抱えている場合などがあります。
また、賃貸物件の場合には、売りに出していることが入居者に知られることで「自分の住んでいる物件が売られようとしているが大丈夫なのか」と不安を感じさせてしまう可能性もあります。
それによる退去などの悪影響を避けるため、売却の際に入居者に知られないようにしたいというオーナーもいます。


4.買取業者に売却する流れ

買取業者に売却する流れは以下の通りです。

①不動産会社に依頼
②机上査定または訪問査定の上、買取価格の査定
③売買契約の締結
④決済・引き渡し

4.1.不動産会社に査定依頼

不動産の買取を依頼するには、まずは買取業者を見つける必要があります。近場の不動産会社や付き合いのある不動産会社に相談するのも良いですが、できるだけ好条件で売りたいのであれば複数社に相談するのが良いでしょう。

複数社に問い合わせたいときは、不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
一括査定サイト上のフォームに物件所在地などの情報を入力・送信すると、そのサイトに加盟している複数の不動産会社に無料で価格査定を依頼することができます。その後、各社から査定結果の連絡が来るため、希望条件に近い提案をした会社と具体的に話を進めていきます。

ただし、一括査定サイトでの査定依頼先の会社には、買取業者だけでなく仲介業者も含まれています。(むしろ仲介業者の方が割合は多いです。)
そのため、買取査定額と仲介での想定売却価格などの各条件を比較して検討することもできます。自宅や収益物件、土地などの不動産売却を検討し始めたら、まずは一括査定サイトから無料査定を依頼してみると良いでしょう。

4.2.机上査定または訪問査定の上、買取価格の提案

不動産会社への訪問や一括サイトなどから査定依頼をすると、不動産会社が買取査定をしてくれます。(依頼先が仲介会社の場合は、仲介で売却できるであろう想定価格を査定します。)

査定方法は大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定(簡易査定)

現地調査を伴わない査定方法。物件情報(所在地、間取り面積、築年数、写真など)や類似物件の成約事例などからおおよその価格を査定する。

訪問査定

机上査定にあわせて現地調査も行い、建物の状態(リフォームの必要性)や異常の有無などを調べた上で査定する。机上査定より精度の高い査定ができる。

まずは複数社に机上査定を依頼し、机上査定結果が自分の希望価格に近い会社に訪問査定を依頼するのが良いでしょう。机上査定でもより詳しめに査定してもらいたい場合は、物件の間取り図や写真、過去の修繕履歴などの情報を提供できるよう準備しましょう。

机上査定なら依頼者側の負担はほぼありませんが、訪問査定となると(特に立会の場合は)その度に日程の調整や室内の掃除・片付けなどが必要になります。そのため、机上査定の結果をみて候補の会社をある程度絞ってから訪問査定を依頼することをおすすめします。

なお、ここで注意が必要なのが、買取査定と仲介査定の違いです。
買取査定は「その会社が買い取ってくれる価格」であるため、その後の詳細な現地調査の結果などによっては多少の価格変動はあるものの、売却できる価格の大体の目途が立ちます。

一方で仲介査定は、あくまで「このくらいの価格で売れるだろう」という推定価格に過ぎません。実際にその金額で売れるかはわかりませんし、売れるとしてもいつになるかはわかりません。当初設定した売出価格では反響が少ないため値下げしたり、指値が入ったりすることで、最終的な売却価格は下がるというケースも多くあります。したがって、仲介業者に査定された金額を鵜呑みにすることはできません。

そういった点や売却する事情などを考慮した上で、買取業者に買い取ってもらうか、仲介業者に売却を依頼するかを決めます。

4.3.売買契約の締結

机上査定や訪問査定で提案された買取価格に納得すれば、諸条件(スケジュールや残置物の処理など)を調整した上で、売買契約を締結します。

4.4.決済・引き渡し

基本的には決済と引き渡しは同時です。買取の場合はローン特約がないことが多いため、ローン審査を待つ必要がない分、契約~決済までの期間を短めに設定することもできます。
買取では最短で数週間程度で決済・引き渡しまで完了することもあります。


5.買取でもできるだけ高く売却する方法

「多少安くても早く売却したい」などのニーズには最適な不動産買取ですが、とはいえできるだけ高く売れるに越したことはありません。不動産を高く売るための方法(買取と仲介で共通する点も多いです)を簡単に解説します。

5.1.リフォームして物件の価値を上げておく

中古物件を高く売るためには、できるだけ建物の状態を良くしておく必要があります。したがって内外装をリフォームして綺麗な状態にしたり、人気の設備を導入したりしておくことは有効です。

ただし、リフォームには当然費用がかかるため、かけた費用以上に売却価格が高くなることが見込めないのであれば、わざわざリフォームしても意味がありません。場合によっては、自分でリフォームをするよりも、買主がリフォームすることを前提に売却価格を下げた方がお得な可能性もあります。一般の個人が自分で業者にリフォームを依頼するのは割高になるリスクもあるので注意が必要です。

特に買取の場合であれば、買取業者がリフォームする方が、個人が自らリフォームを手配するより安く済むでしょう。仲介で個人の買主に売るのであればリフォームしておくことも良いかもしれませんが、買取なら売却のためにわざわざリフォームはせず、そのままの状態で売却した方が結果的にお得になることが多いでしょう。

ただ、リフォームを過去に行っているのであれば、行っていない場合より買取価格は高くなる可能性が高いため、過去に行った修繕の履歴はきちんと残しておき、買取業者に伝えるようにしましょう。

5.2.(収益物件の場合)家賃収入を増やす

賃貸用アパートなどの収益物件を売却するにあたっては、家賃を高くする、入居率を上げるなどによって家賃収入を増やしておくことが有効です。なぜなら、収益物件の価格は多くの場合において、その物件の「稼ぐ力」によって決まるからです。

空室が多かったり、家賃が相場より安かったりするために利回りが低くなっている物件は、割安の価格でしか売れない可能性が高いです。逆に、満室で現況収入が十分にある物件なら、金融機関のローンなども通りやすいため、きちんと相場通りの金額で売れる可能性が高まります。

5.3.(空き家の場合)管理を怠らない

空き家の売却を考えているのであれば、売れるまでの期間にしっかり管理しておくことが重要です。家は人が使っていないと急速に劣化しますが、劣化の激しい家は当然ながら安く買い叩かれます。

空き家でも定期的(最低月1回程度)に室内に立ち入って空気の入れ替えや通水、掃除などを自ら行うか、空き家管理会社に任せておくのが良いでしょう。


6.まとめ

不動産の買取について説明しました。不動産の売却には買取と仲介という方法があります。

買取には短期間で売却できる、ほぼ確実に決済して現金化できる、契約不適合責任を負わなくてよい、などのメリットがありますが、一方で売却価格は安くなる傾向にあります。したがって、売却したい理由や事情に合わせて、最適な売却方法を選択することが重要です。

この記事を参考に、あなたの不動産売却に適した方法を選択していただければと思います。

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