賃貸物件オーナーのあなたは、不動産管理会社に毎月支払っている管理手数料をできるだけ安く抑えたいと思っていませんか?
賃貸経営にまつわる業務をまとめて委託できる管理会社は、忙しいオーナーにとって強い味方です。ただ一方で、毎月家賃収入の5%程度(会社によって異なる)を管理手数料として支払う必要があります。これは、できるだけコストカットをしたいオーナーにとって悩みの種でもあります。
管理手数料の高さに対して管理内容が見合っていないと感じて、「もっと管理手数料が安い管理会社に変更したい」と考えている人もいるでしょう。たしかに、賃貸経営においてできるだけコストを削減することも重要です。しかし、管理会社を選ぶにあたって「管理手数料の安さ」だけを判断基準にするのは非常に危険です。
なぜなら、賃貸経営では「収入-支出」を最大化することを目指しますが
①コストカットを最優先にするあまり、家賃収入まで減らしては意味がない
②賃貸経営におけるコストは管理手数料だけではないため、トータルのコストを考慮する必要がある
からです。
この記事では、管理会社の管理手数料の相場や含まれる管理内容についても説明した上で、管理手数料の安さで管理会社を選んではいけない理由と、管理会社選びのポイントを解説します。
なお、当社は管理会社として3万戸以上の不動産の賃貸管理をしています。
物件の現場で発生するトラブルの対処事例や賃貸経営のノウハウについては、公式note【賃貸管理の現場日記@武蔵コーポレーション~住まいで人を笑顔に~】でも情報発信をしていますので、ぜひご覧ください。
1.管理手数料の相場
賃貸管理の管理手数料は、管理会社がオーナーに代わって賃貸管理に関する業務を行うことに対する業務報酬です。
不動産投資は物件を購入して終わりではなく、購入後の管理運営も重要です。しかし、賃貸管理業務、すなわち入居者に関する業務(入居募集・家賃集金・クレーム対応など)や建物に関する業務(清掃・点検・修繕など)などをオーナー自ら行うのは、非常に手間がかかります。
したがって多くのオーナーが管理会社に管理委託をしていますが、その際に報酬として管理手数料を支払うのです。
1.1.管理手数料の相場は家賃収入の5%
管理手数料の一般的な目安は、「家賃収入の5%」程度です。
管理会社に支払う管理手数料は、一般的に「家賃収入×〇%」という形で決められています。家賃収入には、毎月の賃料と管理費・共益費などが含まれます。
したがって、家賃が高いほど、あるいは入居中の部屋数が多いほど家賃収入は大きくなり、管理手数料の金額も高くなります。逆に家賃が低かったり、空室の部屋が多かったりすれば、支払う管理手数料の金額は少なくなります。
1.2.近年は管理手数料が安い会社も増えている
前述の通り、管理手数料の相場は家賃収入の5%程度です。ただし、管理手数料については法律などで定められておらず、オーナーと管理会社の同意次第で自由に設定することが可能です。
そのため、管理手数料を1~3%程度に設定して安さを売りにしている会社や、「1戸あたり月額〇円」というように定額制にしている会社も増えています。また、中には「管理手数料0円」としている会社もあります。
特に、都心に近い物件や新築・築浅物件については、管理手数料を低めに設定しているケースが多くあります。
管理手数料が安い会社は魅力的ですが、管理会社を選ぶ際に安さだけで決めるのは得策ではありません。どんな管理業務が含まれているか、管理会社としての実力(業務の質)はどの程度か、管理手数料以外の費用をトータルで考慮して本当に安いと言えるのか、といった要素を慎重に検討することが必要です。
1.3.家賃集金代行だけで5%なら割高の可能性あり
管理手数料の高い・低いを〇%という数字だけで判断してはいけないと述べましたが、当然、管理内容に対する「コスパ」の良し悪しはあります。
では、実際のところ管理内容に対する管理手数料の「コスパ」をどう判断すればよいでしょうか。
管理内容や手数料のプランは様々のため判断は難しいところですが、例えば家賃集金代行だけで5%の手数料を取られているなら、管理内容に対して管理手数料が割高である可能性が高いです。
今あなたが管理を任せている会社がこのようなプランであれば、同様の管理内容でより低い手数料の会社や、5%でもより管理内容が充実している会社に変更することを検討しても良いでしょう。
2.管理手数料に含まれる業務と含まれない業務
管理会社に委託する場合、管理会社に支払う報酬は必ずしも管理手数料だけとは限りません。業務によっては、管理手数料以外で費用がかかるものもあります。
まずは管理会社に委託できる一般的な業務、そして管理手数料以外の費用がかかる可能性がある業務について解説します。
2.1.一般的に管理会社に委託できる業務
管理会社に委託できる一般的な業務(の一部)には、以下のようなものがあります。
〈入居者に関する業務〉
・入居募集
・賃貸借契約の締結や更新
・家賃の集金、滞納金の督促、滞納保証
・退去の手続き、立会、精算
・原状回復工事
・入居者からのクレーム対応
〈建物に関する業務〉
・巡回
・共有部の定期清掃
・建物や設備の点検
・室内設備や建物全体の修繕
上記はあくまで一般的な例ですので、実際に管理会社を検討する際には、管理手数料の範囲でどの業務を対応してもらえるのかを確認しましょう。手数料が3%でも業務範囲が狭いのであれば、5%で幅広く委託できる方がコスパは優れているかもしれません。
また、これらの業務をすべて管理会社に任せることもできますが、管理会社によっては一部の業務をオーナー自身で行う(またはオーナー自身で業者を手配する)ことも可能な場合があります。
一部の業務は付き合いのある業者に任せたい、自分で手配した方が安く済む、といった場合には、管理会社に相談してみるのも手です。
ただし、あまり要求が細かくなると管理会社から面倒なオーナーだと思われてしまう可能性もあります。管理会社に委託するのであれば、基本的にはすべて任せてしまうのが良いかもしれません。
2.2.管理手数料以外の費用がかかる業務もある
注意しなければならないのが、上記の管理業務がすべて管理手数料の範囲で賄われるとは限らないという点です。一部の業務に関しては、管理手数料とは別途で料金がかかることも多いです。
この点を無視して管理手数料の高さだけに着目してしまうと、「管理手数料は安くしたのに、トータルでかかる管理コストは結局高くなってしまった…」ということになりかねません。
管理手数料とは別途料金がかかることが多い業務の例としては、以下のようなものがあります。
・原状回復費用
単身向けの部屋で10~15万円程度が目安。部屋の広さや汚れ・傷、経年劣化などの度合いによって大幅に異なるため、一概には判断しづらい。
内容は、ルームクリーニング、エアコンクリーニング、クロス張替え、クッションフロア張替え、畳交換、設備(キッチン、浴槽など)の補修・交換など。
・室内設備の修繕・交換費用
給湯器、エアコン、換気扇、水栓、照明器具、トイレなどの修繕・交換費用。発生頻度や種類によって金額は異なる。
・建物管理費用(定期清掃・点検など)
簡易清掃のみで管理手数料に含めている場合もある。手数料と別でかかる場合は、建物の大きさや設備(エレベーター、受水槽、貯水槽など)の有無によって異なる。
清掃の頻度や管理内容(高圧洗浄、共用灯交換、粗大ごみ処分、除草剤散布、植栽剪定)などを考慮して、費用と内容が見合っているか判断する。
・賃貸借契約の締結・更新
賃貸借契約の締結に伴う成功報酬の目安は家賃の0.5~1か月程度。仲介手数料の名目で受け取る業者もある。
更新手数料は家賃の0.5か月程度が多い。
原状回復リフォームや室内設備の修繕などは、発生する頻度が一定ではないこともあり、管理手数料とは別にその都度費用がかかることがあります。(なお当社では、オーナー様の支出の平準化や、退去・不具合発生からリフォーム対応までの期間を短縮するため、原状回復費用や室内設備の修繕費用が定額制となるプランも用意しています。)
また、清掃や点検などの建物管理費用も別途定額料金としている場合があります。清掃や点検は入居者の有無にかかわらず必要な業務である上、物件の設備によっては通常以上の費用がかかる可能性もあります。このような費用は「家賃収入の〇%」と設定するよりも、別途見積もりで定額制とする方が適していると考えられるため、管理手数料とは別で料金設定している会社も多くあります。
賃貸借契約の締結や更新についても、成功報酬としているケースがあります。入居付けの成功報酬としては他にも、広告料がかかるケースが多いです。
3.賃貸管理会社を管理手数料の安さだけで選んではいけない理由
管理会社を選ぶときに多くの人が気になるのは、やはり管理手数料でしょう。しかし、管理手数料の安さだけで選ぶのは危険です。この章では、管理会社を手数料の安さで選んではいけない理由を解説します。
3.1.管理サービスの質が低いと、入居者の短期解約につながる
当たり前のことですが、管理手数料がいくら安くても、肝心の管理サービスの質が低くては元も子もありません。管理会社のサービスの質は入居者満足度に直結し、最悪の場合は解約につながってしまいます。
短期解約は、オーナーの収益にとって大きなダメージです。
入居・退去時には先述の通り、客付けの成果報酬や原状回復費用などがかかります。さらに、退去~入居までの期間は家賃収入を得られません。
したがって、オーナーとしてはせっかく入居してくれた借主に短期間で解約されず、長期入居してもらうことで家賃収入を最大化することを目指します。そして、長期入居をしてもらうためには入居者満足が欠かせないため、管理の質が重要になるのです。
もちろん、必ずしも管理手数料が低い会社のサービスが悪いというわけではありません。ただ、一般的には管理手数料が格安の会社ほど、管理サービスの範囲が限定的であったり、サービスの質が低かったりする可能性はあります。
例えば、定期清掃で物件が綺麗に保たれていなかったり、入居者のクレームに対してレスポンス・対応が遅かったりすれば、入居者満足度は下がってしまいます。
管理業務をしっかり行ってくれる管理会社かどうかを見極めるのは難しいと思うかもしれませんが、いくつか方法は考えられます。
例えば、管理を任せる前の担当者とのやり取りにおいて、連絡をきちんと返してくれるかなどといった点から、誠実に仕事をしてくれる会社かを推し量ることはできます。(当然、担当者によって差はありますが。)
また、その管理会社が管理している物件を実際に見に行ってみるのも良いでしょう。建物がボロボロだったり、ゴミや私物が散らばっていたり、雑草などが処理されていなかったりといった様子であれば、あまり管理の質が高くない可能性があります。
管理会社のサービスの質は、入居者満足度を高め、長く入居してもらうために重要な要素です。そして、入居期間の長い・短いは家賃収入に直結します。
管理手数料の安さだけで判断せず、家賃収入を最大化できるだけの管理サービスを提供してくれるかで管理会社を選ぶようにしましょう。
3.2.管理手数料が安くても、トータルのコストが安くなるとは限らない
2.2.でも紹介した通り、賃貸管理を委託することでかかる費用は管理手数料だけではありません。管理手数料を安くしたくて手数料率が低い会社に委託先を変更したものの、実はトータルでかかるコストは上がっていた…というケースもあります。
実際に当社にご相談いただいたオーナー様で、管理手数料が5%の会社から3%の会社に切り替えた結果、手元に残るキャッシュは以前より減ってしまったという方がいました。
その方によれば、管理手数料が下がったことで毎月のランニングコストは抑えられたものの、原状回復リフォームが以前より高額となり、結果的にはトータルのコストは上がってしまったそうです。
このような事態を避けるには、管理会社を選ぶ前に、結局どのくらいの管理コストがかかるかを検討することが重要です。
管理手数料以外にも、建物管理費用や緊急対応サービス費用などといった固定費をチェックしましょう。また、入居時報酬や更新時報酬、原状回復費用といった支出に関しては、過去の運営実績などをもとにどのくらいの頻度で入居者の入れ替わりが発生するかを予測しておく必要があります。
3.3.管理手数料を安くするよりも、入居率を高める方が収益向上につながる
少しでも収益物件の収支を改善したいオーナーにとって、毎月かかるコストである管理手数料を少しでも下げたくなるのは当然ともいえます。
しかし、実のところ管理手数料が物件の収支全体に及ぼすインパクトは、それほど大きくありません。賃貸経営で収益を最大化するためには、管理手数料を1~2%下げるよりも、空室を埋めて入居率を高める方が有効であるケースがほとんどです。
例として、各部屋の家賃が50,000円、合計10室あるアパートについて考えてみましょう。
この物件で空室が1部屋あるとき、月の家賃収入は50,000円×9戸=450,000円です。このとき、管理手数料を5%⇒3%に2%下げても、毎月のコスト削減はたったの9,000円です。
この場合であれば、仮に手数料が5%でも、空室を1部屋埋めれば+47,500円の収益向上につながります。(管理手数料以外のコストは考慮していません。)
下の表のように、3%で9室しか埋まっていない状態と比較すれば、5%で満室の方が毎月38,500円も収入が増えることが分かります。
入居中の部屋数 | 手数料率 | 家賃収入 | 管理手数料 | 家賃収入ー管理手数料 |
---|---|---|---|---|
9室 | 3% | 450,000円 | 13,500円 | 436,500円 |
10室 | 5% | 500,000円 | 25,000円 | 475,000円 |
このように一見大きく感じる管理手数料の数%の差も、実際には収益上のインパクトはあまり大きくないのです。もし空室がある状態で管理手数料の多少の差を気にしているなら、その空室を少しでも早く埋める方が、収益は断然向上します。
もしあなたの物件がすでに満室の状況で、さらに少しでも収支を改善するために管理手数料の安い会社に変更するとしても、新しい管理会社が今と同じように入居付けをしてくれるかはわかりません。
今の管理会社で入居状況が順調なのであれば、管理手数料のわずかな差のために、あえてリスクをとって管理会社を変更する必要はないかもしれません。
3.4.管理手数料が安い会社は、オーナーと利益相反の関係になる可能性がある
管理手数料が安い会社は、基本的にはそれ以外の部分で収益源を持っていると考えられます。管理手数料以外の収益源の例としては、2.2.で紹介したような原状回復費用や入居決定時の成功報酬などです。
そのような管理会社に管理を委託すると、場合によってはオーナーと管理会社の間で利益相反となってしまう可能性があります。
管理手数料をメインの収益源にしている会社であれば、家賃収入を最大化することが自社の収益確保につながります。家賃収入を最大化するためには、入居率を高めることや入居期間を長くすることが重要です。これは、オーナーにとっての利益確保と目指す方針が一致している状態です。
ところが、例えば入居時の成功報酬や退去時の原状回復工事費用をメインの収益源としている管理会社の場合はどうなるでしょうか。管理会社からすると入居者が頻繁に入れ替わる方が利益確保につながりますが、これはオーナーが目指すべき長期入居の実現とは逆の方針になってしまいます。
こうした収益構造の管理会社には、入居者の長期入居実現に向けてサービスの向上を目指す意欲は期待しづらいといえます。サービスの質が低下して入居者満足度が下がったり、もともと長期入居が見込めない客付けをしたりすれば、退去が頻繁に発生しやすくなり、オーナーは高額な原状回復費用や入居付けの成功報酬を支払うことになります。
管理手数料は安いはずなのに、気づけばオーナーの手元にはお金が残らず、管理会社ばかりが儲かっているという事態になりかねません。
このようにオーナーと管理会社で利益相反となってしまうような管理会社に任せるよりも、ともに入居率向上と長期入居を目標とするような管理会社に任せる方が、オーナーの安定的な利益につながります。管理会社を選ぶ際には、管理プランなどからその会社の収益構造に着目してみると良いでしょう。
4.管理会社の選び方
3章では、管理会社を管理手数料の安さだけで選んではいけない理由を解説しました。とはいえ、客観的に分析した結果、あなたが管理会社に割高な管理手数料を払っているのであれば、管理会社変更を検討するべきです。
この章では、「管理手数料が高い」と感じたときに管理会社を変更すべきかをどう判断するか、そして、いざ変更する際にはどう選ぶかを解説します。
管理会社の変更について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
4.1.トータルの管理コストが管理内容に対して割高か判断する
管理手数料が高いか安いかは、手数料に含まれる業務内容やトータルでかかる費用次第です。一見すると管理手数料が安くても、管理手数料でカバーされる業務は少なく、他の業務はオプション料金がかかる場合も多いです。
そのため、「管理手数料」そのものの高い・安いを気にすることにはあまり意味がありません。手数料も含めたトータルの管理コストを比較する必要があります。
ここでは、あなたの管理会社の管理コストが割高か否かを判断する2ステップを説明します。
①現在の管理内容と管理費用を把握する
まずは、今管理を任せている管理会社でどのくらいのコストがかかっているかを確認しましょう。
・管理手数料は何%か
・管理手数料に含まれる管理内容は何か
・管理手数料以外にどのような費用がどれくらいかかるか
上記の点を確認することで、現状の管理コストを把握できます。
②他社の管理プランや見積もりと比較する
現状の管理コストを把握しただけでは、それが高いのか安いのかは判断できません。したがって、他社と比較して判断する必要があります。
他社の管理プランの費用を知るには、管理会社の一括査定サイトを利用するのが最適です。
簡単な物件情報をサイト上のフォームに入力するだけで、各社の資料や見積もりを無料で取ることができます。面談などで各社の管理プランなどの話をより詳しく聞くことも可能です。
代表的な管理一括査定サイトには、以下のようなものがあります。
・マンション貸す.com https://xn--88j8j6dnb6cc5655n.com/
・楽待 https://www.rakumachi.jp/ooyasan/kanri/
・HOME4U https://lease.home4u.jp/services/manage
・イエカレ https://plus-search.com/property_management/
一括査定サイトから問い合わせれば、基本的に複数社に見積もりを依頼できるため、現状の管理内容やコストとより客観的に比較することが可能です。
先に述べたように、管理手数料だけでなく、建物管理費用、客付けの成功報酬、賃貸借契約更新の手数料、原状回復工事の費用など全体のコストを比較することが重要です。
また、客付けの成功報酬や原状回復費用などを比較する際には、どのくらいの頻度で入居・退去が発生するかを考慮することでより正確に比較ができます。
中古物件であれば、過去の運営実績をもとに、その管理プランではどのくらいの支出が発生しそうかをシミュレーションすると良いでしょう。
また、管理手数料以外の費用がかかる場合には、3.4.で説明したように、収益構造的にオーナーと管理会社の利益相反になっている可能性がないか、注意して確認しましょう。
4.2.入居率が高い会社を選ぶ(目安は95%以上)
他社と比較した上で管理コストが割高だと判断できれば、いよいよ他社への変更を検討します。ただし、割安の会社に切り替えれば良いというわけではありません。
管理会社を選定するにあたって最も大事なのが、「家賃収入を最大化できるか」です。いくらコストを切り詰めても、そもそも家賃収入が少なければ利益も少なくなってしまいます。
家賃収入を最大化するためには、やはり入居率の高さが最重要指標です。したがって、管理委託をするのであれば、入居率の高い管理会社に任せるのがおすすめです。入居率が高い管理会社は積極的にアピールする傾向があるため、会社のHPやパンフレットなどに記載があることも多いです。
入居率の目安としては、95%以上であれば客付けに強い会社であると判断してよいでしょう。97%か98%か、といったわずかな差は気にする必要はありません。なぜなら、入居率の算出方法は会社によって若干異なっていたり、管理している物件によって入居付けのしやすさに多少の差があったりするからです。
例えば、都心の区分マンションと地方の一棟アパートでは、どうしても地方のアパートの方が客付けは難しい傾向にあります。都心部の物件を管理する入居率99%の会社と、地方の物件を管理する入居率96%の会社では、どちらが客付けに強いかは判断しかねるところです。
その管理会社がどのような物件を管理しているかも気にしつつ、入居率95%以上を目安に選べば、少なくとも入居付けの実力に関しては問題ないと判断して大丈夫です。
ただ、管理会社によってどんな物件の客付けが得意かは変わってきますので、自分の所有する物件に近いタイプの物件を多く管理する会社に任せた方が、より安心できます。
5.まとめ
賃貸物件の管理を管理会社に委託することで毎月発生する管理手数料について解説しました。
オーナーにとってはコスト削減の観点から、管理手数料の安い管理会社は魅力的に映るでしょう。しかし、実は管理手数料の数%の差は賃貸経営の収益全体からみると非常に小さいものです。
管理手数料だけにとらわれず、管理内容やその他のコスト、客付けの力などを踏まえて、収益を最大化してくれる管理会社を選びましょう。
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