再建築不可物件とは?素人が手を出すと危険な3つの理由を徹底解説

「再建築不可物件ってどんな物件?」
「お得そうに見えるものが多いけど買っても大丈夫なの?」

そんな思いで本記事を読まれている人も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、高利回りかつ現金購入をできる時を除いて、
不動産投資初心者は安易な気持ちで再建築不可物件に手をだすべきではありません。
なぜなら、再建築不可物件は価格は安いですが、長期的な視点でみれば損をする可能性が高いからです。

本記事では、まず再建築不可物件の基本事項についてお伝えします。
そして、再建築不可物件の危険性と再建築不可物件を勧めてくる不動産業者の営業トークについて解説します。

本記事を読んで再建築不可物件の危険性を正しく理解し、皆さんの不動産投資に成功する確率を上げるお手伝いができれば幸いです。


1.再建築不可物件とは

再建築不可の物件とは、法律上、現在ある建物を壊して新たな建築ができない物件のことを指します。
このような物件が存在するのは、建築基準法という法律が関係しています。

人がたくさん集まる場所は、行政が住みよいまちづくりをするために都市計画区域や準都市計画区域といった区域が定められていて、この区域で建物を建てる場合は、人々に危険が及ばないよう建築基準法という法律にマッチする内容で建築をしなければいけません。

その建築基準法内で、「建物を建てる時は、その土地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」という接道義務が課されており、この接道義務を満たしていない物件が再建築不可物件となります。
接道義務は、消防車や救急車といった緊急車両が入れるようにすることで、消火活動や救助活動をスムーズに行えるようにすることを目的としています。

具体的には下記のような土地が再建築不可物件となります。

(1)は道路に接していないため
(2)は道路に接している道の幅が2m未満のため
(3)は接している道路が建築基準法に準じた道路ではないため 再建築不可

なぜ再建築不可物件が存在するのかというと、建築基準法ができたのは昭和25年(1950年)、また都市計画法は昭和43年(1968年)だからです。そのため、昭和25年以前に建てられた家や、都市計画区域等に指定される以前に建てられた家の中には接道義務を果たしていない物件が存在します。

例えば東京23区は都市計画区域に定められていますが、接道義務を果たしていない住宅は全体の約5%あります。

(総務省による平成30年住宅・土地統計調査より)

「再建築不可と疑われる住宅数」の中には、接している道路が「422項道路」として認められて建築が可能になっているケースも含まれていますので、すべてが再建築不可であるとは限りませんが、それでも合計約24万戸もそういった物件が存在しています。

参考:42条2項道路とは
特定行政庁(建築申請を受ける地方公共団体のこと)が道路として指定した道路で「みなし道路」と呼ばれる。幅員4m未満でも建築基準法上の道路とみなされ、道路の中心線から2m後退したところに、道路境界線があるとみなされる。422項道路に接した敷地に建物を建築・再建築する際には、規定の幅員を確保するため、セットバックが義務付けられている

2.素人が再建築不可物件に手を出すべきでない3つの理由

相場より低価格で掘り出し物感のある再建築不可物件ですが、

・倒壊、消失しても再建築できない
・出口戦略で困る
・物件の安全性を担保できない

という理由から、素人が簡単に手を出すべきではありません。

以下で詳しく説明します。

2.1倒壊・消失しても再建築できない

地震や火災など予期せぬ自然災害により建物が倒壊・消失した場合でも再建築できません。

また、土地が残っても活用法がありません。なぜなら、再建築不可物件は前提として接道に難があるため、残った土地を更地にして駐車場にすらできないからです。

リフォームはできますが、いわゆる広い道に接していないため、部材や機材の搬入も大変になるので、その分の工事費用も膨らみます。

2.2出口戦略で困る

通常、出口戦略においては、売却する・更地にして売却する・自宅として住むといった方法が考えられますが、再建築不可物件は建物を建て直して運用を続けるという選択肢がないため、一般的な物件よりもさらに流動性が低くなるほか、売却価格も低くなる可能性があります。

2.3物件の安全性を担保できない

再建築不可物件は建築基準法等が制定される前からある建物ですので、築年数の長い不動産物件が多いです。
築年数が経つと躯体が老朽化するため、補強、補修などメンテナンス費用がかかってくるのはもちろん、制約の多い中でのリフォームとなるため、十分なメンテナンスをできず、物件の安全性を担保できないケースも起こりえます。


3.再建築不可物件の代表的な4つの営業トークとその誤解

素人が安易に手を出すと危険な再建築不可物件ですが、投資方法として勧めている不動産業者もいます。
以下で再建築不可物件を勧めてくる不動産業者の営業トークについて解説します。

3.1安く仕入れることができるのでキャッシュフローを多く確保できる

再建築不可物件はCFの額をおびやかすレベルのランニングコストがかかるため、トータルでみると損する可能性が高いです。

なぜなら、再建築不可物件は既に築年数がかなり経っていて建物の老朽化が進んでいると考えられるためある程度のメンテナンスが必要となるからです。
それだけでなく、制約の多い中でリフォームをしなければならないことや接道に問題があるため工事がスムーズに進みづらいことから工事費用が余分にかかります。

いくらCFが確保できても、多額のメンテナンス費用がかかるのでは意味がありませんよね。

3.2隣地を購入して接道義務を満たせば資産価値を上げて売却ができる

結論から言うと、隣地の購入はかなり難易度が高いです。
なぜなら、その土地の売主は買主が再建築不可物件を所有していることが分かるので、価格を高く提示する等強気に出ることが予想されるからです。

本来なら1000万円の隣地も、その土地を買えないとどうしても相手が困るということが分かっていれば、買主は少しでも高く売ろうとしてくるはずです。

加えて、現金購入の除き、土地を購入する場合は金融機関からの融資が必要となりますが、再建築不可物件はほぼ価値のないものですから、金融機関が追加で融資をしてくれるかは怪しいところです。

3.3隣地オーナーに有利な条件で売却することができる

こちらも、上記でお伝えしたように、再建築不可物件の売却の際、隣地オーナーは自分しか買い手がいないと分かることから、値下げ交渉をする等強気に出てくることが予想されるため、売却活動はかなり難易度が高いです。

3.4更地にして駐車場、資材置き場として活用できる

再建築不可物件はもともと接している道路が狭い等接道に問題がある土地ですので、車も通れず駐車場としては利用できない場合が多いです。
また、車が通れないということは資材を近くまで運ぶことができないので、資材置き場としても利便性も低いことから、活用方法として有効をはいえません。


4.さいごに

再建築不可物件は相場よりも割安感があるため、掘り出しものがあるのではないかと思う人も多く、そこにつけこんだ不動産業者が再建築不可物件を勧めてくるケースが見受けられます。

しかしながら、再建築不可物件は不動産業者でも取り扱いの難易度が高いと感じる案件です。なぜなら、安く仕入れられてもその物件を再建築可にする等活用法を見つけられなければ、あるいは、新たに買い手を見つけられなければ、ただ固定資産税のかかるだけの価値のない土地を持ち続けることになるからです。

そのような難易度の高い投資に不動産投資初心者が安易に手を出すべきではありません。

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