収益物件の売却にあたって、そのままアパートとしてオーナーチェンジで売るのと、更地にして土地として売るのでは、どちらのほうがよいのでしょうか?
売却は、収益性と資産性、どちらの価値が高い物件かで判断しましょう。
一般的には収益物件(アパート)のまま売るのが原則です。なぜなら日本においては入居者を退去させることはとても大変なことだからです。よっぽどの事情がない限り収益物件として売ることになります。
では、更地にして売ったほうがよい場合はどんなケースでしょうか?これはその物件から上がる賃料収入は少ないのだけれども、土地が広いケースです。更地であれば、買主は自由にこの土地に自宅を建てたり事務所を建てたり活用できますが、アパートが立っていては何もできません。このような物件は更地として売ったほうが高く売れるということです。
原則は収益物件で売るべきですが、このような例外の場合もあるということで、自分の物件がどちらなのかを理解しなければ、最適な売り方も分からないということです。
このように資産価値(土地値)の高い物件は、取り壊しのためには入居者がいないほうがいいのですから、新規の入居者を入れないだけではなく、既存の入居者にもトラブルなく出ていってもらう必要があります。
現場で取引をしていると、これを理解せずに真逆の行動をとっている売主を頻繁に目にします。特に多いのが、「収益性の物件」にもかかわらず、入居者を一所懸命出してしまって売ろうとしているケースです。これでは、せっかくのアパートの価値を損なってしまいます。
同様に、資産価値がある土地なのに、安アパートが立っていて入居者がいるために、高く売ることができない物件も多くあります。購入時から出口のイメージを描き、その出口に合った管理運営をしていくことが重要です。