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収益物件の傾きについて不動産投資家が知っておくべき知識Vol.1
2018年6月21日

収益物件の傾きについて不動産投資家が知っておくべき知識Vol.1

武蔵コーポレーションが展開する収益物件の新規ブランド、認定再生物件ReBreathでは、一級建築士が70以上にわたる項目をチェックし、収益物件として問題ないかどうか診断しています。武蔵ONLINEでは、その一つ一つの項目を解説していきます。

記念すべき初回は、数ある項目の中でもとても重要な基準となる傾きについて紹介します。

 

「物件が傾いている」というバカにできない問題

 

住宅に対して人が抱く不満の種類は数多くありますが、その中でも、傾きがあるというのは致命的です。「自分の家がもし傾いていたら…」と想像してみれば自然と理解できるはずです。

自分が注文、購入した住宅であれば施工主や売主に対して責任を追及することになりますが、賃貸住宅の場合、借主から責任追及される対象となるのは貸主、すなわち収益物件のオーナーとなります。

 

場合によっては健康被害などで訴えられるといったようなリスクも否定できません。損害賠償が認められればオーナーはそれに従わなければならず、せっかく資産形成のために行っている賃貸経営で逆に大きな損害が発生することになりかねません。

 

「まさか自分が購入する物件が傾いているなんてことはないだろう」と思っている方もいるかと思いますが、実は収益物件の多くを占める低層アパートはマンションと比べて建物が傾いている確率が高くなるので、決して他人ごとではありません。

なぜかというと

  • 低層アパートの基礎はマンションと比べて根入れ深さ(基礎部分が土へ埋め込まれている深さ)が浅いこと
  • 建物規模によっては構造計算が義務付けられていないこと

という理由が存在するからです。

これらの理由により、購入した物件も、もとから持っている物件も、傾いている可能性が一定程度は存在するのです。

そのためオーナーとしては自らの不動産投資を成功に導くためにも、物件の傾きについての知識を身に着けておきたいところです。

物件の傾きはどこまで許される?

 

傾いているお部屋を入居者に貸し出してしまっている、と一口に言っても、その程度は様々です。 よって不動産投資家の皆様がまず気にするべきなのは「どの程度傾いていたらダメなのか?」ということです。

どこまでの傾きが許容されるのか(セーフなのか)を判断する際は、住宅品質確保促進法第70条に基づく「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」(平成12年建設省告示第1653号)が一つの目安になります。

 

この基準は、同法による住宅紛争処理の参考となるべき技術基準として、不具合の発生と構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性との相関関係について定めるものです。

つまり、「どのくらい傾いていたら不良物件(アウト)と言われてしまうのか」について規定しているということです。相関関係は以下の通りになっています。

 

  • 3/1000未満の勾配の傾斜  …構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い(セーフ)
  • 3/1000以上6/1000未満の勾配の傾斜  …構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する(アウト)
  • 6/1000以上の勾配の傾斜  …構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い(アウト)
  •  

    ここでいう3/1000というのは、1,000mm(1m)の距離にある、本来は水平であるべき二つの点が上下に3mmずれてしまうことを意味しています。同じように6/1000は1,000mmに対して6mmだと考えてください。

     

    健康被害などを訴えられて裁判になった際、上記のラインによって判断されることが通常です。よって3/1000以上の傾きがあるお部屋を貸していた場合は裁判で負ける可能性が高いということです。

    当社でもこの基準に従い、傾きの許容範囲は3/1000未満としています。

    素人でも測れる?建物の傾きを測定する方法

     

    これまで述べてきた通り、建物が傾いているかどうかは不動産投資を安全に行うために必ずチェックしておかなければならないポイントです。 購入を検討している物件の傾きに関する情報は、売主、もしくは仲介に入っている不動産業者に必ずヒアリングをした方がよいでしょう。

     

    確認が取れないときなどのために、計測の方法を紹介します。いずれも当社で使用している方法ですが、当社では物件の状況によって使い分けています。すでにお持ちの物件の傾きを測ってみたいときなどに、参考にしてみてください。

     

    ・レーザー墨出し器

     

    レーザー墨出し器とは、機器本体からレーザー光を照射して、傾きを測定したいお部屋の天井や壁面に水平や垂直のラインを表示する機械です。 傾きを測る方向は水平・垂直の二つがありますが、レーザー光の照射方向も水平・垂直の両方に対応したもののほか、いずれか一方だけのタイプのものもあります。レーザーの色も、赤や緑などの種類があります。

     

    ■床の傾きチェックの仕方

    二つの地点でレーザー墨出し器から水平線を出したときの、床から水平線までの高さの差が床の傾きになります。3m間隔の二地点で高さ9mm以上(3/1000以上)の差があれば傾きの可能性を疑ってください。

     

    ■壁の傾きチェックの仕方

    基本的に床と考え方は同じです。二地点からレーザー墨出し器で垂直線を出し、壁から垂直線の距離の差が壁・柱の傾きになります。2m間隔で距離が6mm以上(3/1000以上)の差があれば傾きの可能性を疑ってください。

     

    ・デジタル水平器

     

    こちらは簡単に測定が可能です。機器を床・壁にあてることで画面にその地点の勾配が表示されます。注意点としては、施工不良による部分的な不陸(平らでないこと)の影響を受けやすいので、計測ポイントを増やして総合的に判断することが必要です。

     

    ・下げ振り

     

    下げ振りとは、糸を垂らして垂直の位置を出すための工具で、糸におもりがついています。 壁に下げ振りをあて、上下の糸離れ長さで傾きを測ることができます。

     

     

    2m間隔で高さが6mm以上(3/1000以上)の差があれば傾きの可能性を疑ってください。

     

    いかがでしたでしょうか。物件の傾きは購入にあたって必ず考慮すべきポイントであり、許容範囲を超える傾きの物件はリスクが高いので見送ることをお勧めします。 そもそもなぜ建物が傾くのか、是正する方法があるのかなど、もっと詳しく知りたいという方は次回の記事をご覧ください。

    収益物件の傾きについて不動産投資家が知っておくべき知識Vol.2

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